2026.2.13公開
世界時2月1日23時44分(日本時間2026年2月2日8時43分、これ以下、世界時=UTを使用)、活動領域14366でX8.1クラスの大規模フレアが発生し、三鷹太陽フレア望遠鏡がその一部始終を捉えました。
これは2024年10月に発生したX9.0、同年5月のX8.7に次ぐサイクル25では3番目の極めて大きな爆発現象です。
Xフレア発生前からMクラスのフレアが頻発していたため、14366は周囲と比べて非常に明るい状態でした。00:05UTでガスが噴水のように放出される様子が見えます。また見た目の変化は分かりにくいですが00:15UTにX1.5フレアが、00:30UTでX2.8フレアが発生しています。
動画1:2026年2月2日のHα線全面像(撮影:太陽フレア望遠鏡)、時刻は世界時表記のため00:00が日本時間09:00)
動画2:X8.1フレア発生前後のHα線像(撮影:太陽フレア望遠鏡)
左はHα線(6563Å)、右はHα線から±0.8Å ずらした波長で撮影した画像を解析して作成した速度場図。青が手前方向、赤が奥行方向の運動を表している。
白色光(左)は太陽表面(光球)における黒点群の変化を示しており、密集した複雑な黒点群へと急速に発達した後、段々と東西に伸びていることが分かります。Hα線(中)は彩層(光球の上層)の水素ガスが見えており、フレアによって加熱されて強烈に輝いている様子や、黒点同士を繋ぐ磁力線に沿ったガスの運動も見られます。赤外線磁場分布(右)は白がN極、黒がS極で、磁場が複雑に入り組んでいる様子が分かります。1月30日に北半球東リムから出現した時は黒点がいくつか見える程度でしたが、黒点数の増加、面積の拡大が短時間で急速に進み、2月6日現在までにMクラスが53回、Xクラスが6回観測されています。
(内訳:X1.0、X8.1、X2.8、X1.6、X1.5、X4.2)
野辺山宇宙電波観測所に設置された偏波強度計でも今回のフレアに伴う電波放射を観測しています。爆発によって荷電粒子が急激に加熱されたり、加速されたりすることでさまざまな周波数帯の電波が発生します。図2では23:44UTのX8.1フレア発生直後に高周波側でピークが観測された一方で、00:33UT付近で発生したX2.8フレアでは電波放射はグラフに大きな変化はありません。また00:15UT付近では低周波(プロットの1段目と2段目)にて、電波領域のレーザー放射の一種である電子サイクロトロンメーザー放射 起源と思われる電波が短時間に非常に強く観測されています。X線では強度が弱いX1.5フレアの方が、低周波の電波(プロットの1段目)ではX線強度の強いX8.1フレアより明るいことは、フレア発生場所の磁場構造に示唆を与えます。
太陽活動は黒点数の増減を指標にして約11年周期で極大期と極小期を繰り返しており、2019年から始まったサイクル25で最も活発だったのは2024年5月で、大型の黒点群が2つ同時期に出現、2週間にXフレアが18回も発生する異例の事態となりました。 2025年月にはNASAが極大期のピークを越えたと宣言しており、観測される黒点数も減少傾向にありますが、1月中旬に発生したX1.9フレアに伴って放出された太陽ガスが地球に直撃したことで、近年稀に見る地球磁気圏の擾乱が発生もしています。引き続き太陽活動が活発であることを改めて実感させるイベントとなりました。
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