7月19日(土)~9月23日、長野市立博物館にて開催された第68回特別展「Sun!Sun!Sun!市民がつないできた太陽観測」にて、国立天文台が所蔵する貴重資料が展示されました。
国立天文台では東京天文台時代の1888年から太陽観測を開始し、観測装置や手法が確立して体系的に観測が行われるようになりました。現存するもっとも古い写真乾板は1918年、手書きの黒点スケッチは1931年の物です。 太陽観測は長期間にわたって継続されていることが非常に重要ですが、さらに装置や手法、観測者、気象条件など付帯情報が記録されていることも重要です。 その点で、複数の個人観測者の記録、国立天文台の記録が今日まで大切に保管されていることは、日本の科学技術史において貴重な財産といえます。長野市立博物館様にご提案いただき、 最古の黒点スケッチを含めた実物を20点を展示していただきました。
国内に残されている貴重な太陽観測記録の数々の一例として国立天文台のスケッチが掲載されました。1931年から1991年までスケッチ観測が続けられ、その中でも1931年から6点、 戦時下の物資不足の中できわめて薄く、もろい紙を使って書かれた1945年8月から6点、極大期で黒点数が非常に多く、プロミネンスや白斑などの書き込みが多く見られる1958年から2点を展示していただきました。
また、長野県と岐阜県にまたがって存在した乗鞍コロナ観測所についてもご紹介いただけることになり、実際に望遠鏡に搭載されていた直視分光器、写真アルバム、観測日誌が展示されました。 太陽研究の黎明期を支えた当時の観測所や職員の姿を垣間見ることができました。
長野県南牧村には野辺山宇宙電波観測所があり、かつて稼働していた太陽観測用干渉計「太陽ヘリオグラフ」のジオラマを博物館学芸員の方が手作りされていました。完成度の高さに驚かされました。
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