Berlin and Lindau (May 2009)

2009/05/11 - 05/21

参加者:関井・長島(以下文責:長島)


Berlin

3rd HELAS local helioseismology workshop "The Subsurface Structure of Sunspots" に参加しました。 参加者は日震学の研究者と太陽の黒点の研究者で、 ドイツ・アメリカ等各国からの30名程度でした。 このworkshopは、 日震学による黒点の研究について、黒点のモデリング・シミュレーションの観点からの 意見も含めて議論を行う、というユニークなもので、各人の発表だけからなる いわゆる研究会のスタイルとは多少異なり、参加者同士が各自で自由に議論や解析を 進める時間も確保されていました。

我々が参加したのは今回が初めてですが、 前回は、特定の黒点の同一データについて、参加者がそれぞれ異なる日震学の手法で 解析をして、解析手法の比較が行われており、その結果は出版された論文で 事前に予習することができました。黒点の研究に使ういわゆる「局所的日震学」の手法は まだ確立された手法というまでに至っておらず、現在もこのような議論を通して 発展中です。

今回はその続きの面以外に、黒点のモデリング・シミュレーションの 専門家の研究紹介もあり、より広く「黒点」をとらえることができました。 個人的に一番興味深かったのは、太陽の振動のパワー分布(いわゆるk-ω図)で 太陽の固有モードridge 以外の"background"成分の問題でした。

Harnack House 外観。

議論の繰り広げられたMeitner hall.
壁の絵の女性は物理学者Lise Meitner氏。

会場はBerlin郊外にある Harnack House でした。 このHarnack House はKaiser Wilhelm Society(Max Planck Institute の前身)によって 1929年に研究振興のために作られた施設とのことで、 著名な研究者がここで研究を行ってきた歴史ある場所なのだそうです。


Lindau

ドイツ滞在後半は、Katlenburg-Lindau にある Max Planck Institute for Solar System Research を訪問しました。 ここには、我々の研究手法である local helioseismology (局所的日震学)の 研究グループがあり、そのメンバーとの議論のために訪れました。 周囲に畑や放牧場の広がる静かな環境の中、有意義な情報交換や議論を行うことが できました。共同研究が始動しました!

正門より外観。

3階からの眺め。

館内の廊下には並んだ模型やパネルから、この研究所で行われている研究の様子を 知ることができました。ドイツ語の解説は残念ながら解読できませんでしたが、 太陽と太陽系の惑星・地球磁気圏などについて、 様々な観測装置の模型や実物、成果の図や映像を楽しみました。

左の写真は、巨大な太陽の模型と、天井からぶら下がっていた 実物の1/12 の太陽観測衛星SOHOの模型です。


Goettingen

Lindau 訪問中は車で30分程度の距離にあるGoettingenに宿泊しました。 Goettingen は多数のノーベル賞受賞者を輩出した大学の街です。 夕飯を食べに出かけた街中では受賞者と思しき銅像も見かけました。 5月の夏時間のこのあたりは、夜9時台でもまだ明るく、 外で食べる夕飯も気持ちのいいものでした。

右の写真は街の中央の広場にある「がちょう娘リーゼル」の像です。(この明るさでも19時頃の夕飯時です。) Goettingen 大学で学位をとると、この像にキスをするが習わしだという、有名な像のようです。

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