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乗鞍温度計測システム2開発プロジェクト


本プロジェクトは、昨年からおこなっている無人温度計測システムを 宇宙線観測所にパソコンを設置せずに、直接自動車電話と温度測定ロガーを 配置して、電源制御装置と太陽電池パネル・バッテリーを使ったシステムに よって、直接冬季閉所時の観測所の温度モニタリングをおこなうシステムを 開発することである。
主な課題は
  • 太陽電池パネルによる電力の供給が可能であるか。(現在、テスト装置で実験中)
  • システムの仕様(暫定版) 新温度計測システムの為の電源制御装置の設計

    1.太陽電池パネルによる充電

    携帯の電力を賄う為に太陽電池パネルを使用する。
    使用に先だって、必要な電力は以下の通りである。
    待機時のMaxが220mAで2.64W
    通話時がMaxが600mAで7.2Wである。
    ここで、通話時間を30分とすれば、0.5h
    理論的な1日当たりの発電量は

    発電可能時間 4時間
    晴天率    30%
    発電効率   50%

    使用太陽電池パネル 21Wタイプ

      21 × 4 × 0.3 × 0.5 = 12.6 Wh

    ここで、使用する電力量は 最大で1日の通話で 3.6Whである。
    蓄積すべき電力は
    5Wh・・・1日当たりの電力量(その他の装置の電力量は含まない)
    3割の晴天率とすれば、1日発電して、3日は発電できないとすると
    4日分を賄える容量は、20Whだから、
    1日の発電量は
    42Whであるから 37Whがその他の装置の消費電力量となる。

    再計算すると 4日で蓄えるべき電力は 12V,14Ahだから、 24Ah×2で十分である。

    2.試験装置の仕様

    太陽電池パネルは21Wタイプ1個 それにつなぐ蓄電池は、シール式バッテリー24Ahタイプ
    制御装置

    PIC16C774で制御。
    制御方法
    蓄電池電圧、太陽電池電圧、太陽電池発電可能時間 の3パラメータを使って充電、非充電を決める。

    充電制御素子は、FETで太陽電池の端子を開放か ショートかで決める。
    蓄電池からは、レギュレータを使って5vのシステム電源を作る。
    また、携帯電話にはアップダウンコンバータで12Vを供給する。
    この時、制御装置はタイマーチェックで決められた時間にセットする。

    タイマー動作は、携帯用電源ON、携帯電源接続とタイムディレーをおいて 接続する。

    リアルタイムクロックを使って、必要な電源制御動作を発生させる。
    リアルタイムクロックにはSIIのRTCを使用する。 システム電源は、3Vとする。(RTC・LSIに合わせる)


    電源制御条件

    1.太陽電池

      08時から16時の間で、パネル端子電圧が12V以上であり   かつ、バッテリ端子電圧との差が1V以上ある場合にゲートをON。

    2.携帯用電源と携帯用電源接続

      携帯用電源への電源制御は、あらかじめ設定した時間(プログラム可能で、かつ
      1日2回まで可能)になったらゲートONし、ある時刻を経過した場合に
      ゲートをOFFする。

      上記の電源制御パターンは
      携帯用電源のゲートをONしてから10秒程度後に、携帯電源へONする。
      電源を切る場合は、携帯電源のゲートをOFFしてから、携帯用電源のゲートを
      OFFする。

    システム構成

    PIC16C774は、RS232CI/Fを装備する。

    RS232CI/Fは時刻の設定(RTCLSIの初期化)と 携帯の接続時刻の設定の為に使う。

    また、電源モニタリングにも使う。

    RTCとは2線式のI2CのI/Fを使用する。

    2線式メモリで、電源モニタリングと状態を記憶する。
    (太陽電池パネルの電圧とバッテリ電圧の2つ。)

    システム電源が3V系だから 12V−>3Vのレベルシフト回路と

    電圧モニタ用に分圧回路を入れる。

    電流を流したくないから、1/6分圧で500kΩ:100kΩで(20μA程度に抑える)
    オペアンプでバッファリングして入力インピーダンスを下げる。
    (オペアンプのゲインは2倍として、非反転増幅回路)

    電源は、太陽電池側の電力系とバッテリ電源系 そこから作る電源系統は

    携帯電源用の12V系と 制御回路用の5V、RTCの3V系の3系統となる。

    I2Cは、レベルシフト回路を介して RTCと接続する。

    予備実験の為のシステム回路構成


    バッテリーと太陽電池の各端子に電圧ロガーを接続。
    太陽電池とバッテリーの間にFETスイッチとブロックダイオードを接続。

    両端子には抵抗による分圧回路とバッファ(OPアンプ)を接続しPICの A/D端子に接続する。

    1分間 で太陽電池パネルのbatteへ 回路を切り替え。

    以下の関係式で回路上のスイッチを入れる。

    Vs:太陽電池パネル電圧
    Vb:バッテリー電圧

    Vs−Vb = 0.6V

    Vs <= 14.7V
    Vs >= 11.7V

    タイマーとしての動作は、

    太陽電池動作タイマー

    携帯電話スタンバイ用タイマー(1日3回・・・電源接続時間は、10分間)
    (土・日は接続しない。また、祝日も設定が可能である)
    の2種類のタイマー動作をおこなう。


    無人温度計測システム 電源制御メイン回路(暫定版)