2024年7月に太陽観測を行った気球実験Sunrise III。その初期科学成果を集めた特集号(Focus Issue)が、2026年7月9日に学術誌 The Astrophysical Journal Letters に掲載されました。本特集号には、Sunrise IIIミッションの概要と初期成果をまとめた総説論文に加え、太陽大気を伝わる波や太陽フレアなど、太陽で起こるプラズマ現象に迫る研究成果が掲載されています。今後も Sunrise IIIの高精度データに基づく成果が順次追加される予定です。
国立天文台が主導して開発した近赤外線偏光分光装置 SCIP からも成果が生まれています。名古屋大学の松本琢磨氏を筆頭著者とする論文「Vector Magnetic Field Associated with an Active Region Filament Observed by SUNRISE III/SCIP in the Ca II 8542 Å Line」では、彩層に感度のあるCa II 8542 Å線を用いて活動領域のダークフィラメントに対応する明瞭な直線偏光信号を初めて検出しました。これにより、フィラメントを支える3次元的な磁場構造を、新たな手法で読み解くことが可能になります(図1)。
特集号の公開に合わせて、マックスプランク太陽系研究所(MPS)もプレスリリースを発表し、 Sunrise III が切り開く太陽観測の新時代を紹介しています。
【関連リンク】
マックスプランク太陽系研究所によるSunrise III特集号のリリース
https://www.mps.mpg.de/oscillations-flares-and-tornados-on-the-sun?c=2169
The Astrophysical Journal Letters: Sunrise III Focus issue
https://iopscience.iop.org/collections/apjl-260303-220_Focus-on-Sunrise-III