SUNRISE-Ⅲ/SCIP観測結果およびデータ回収について

2024710日にエスレンジ宇宙センター(スウェーデン)から打ち上げられたSUNRISE-Ⅲは、6日間にわたって高度35kmの成層圏を飛翔し、716日にカナダ北西部に無事に着陸しました。成層圏の安定した環境により、SCIPを含む3つの観測装置全てで非常に高品質な太陽観測データの取得に成功しました。

24時間体制で科学運用を実施するため、マックスプランク研究所(ドイツ)の運用拠点に加え、国立天文台三鷹キャンパスにリモート運用室を設置しました。太陽黒点から太陽フレアまで様々なターゲットを観測することに成功し、膨大な観測データは回収チームにより確保され、既に国立天文台に輸送されています。1年後には世界中の研究者が科学データを活用できるように、今後データ処理および較正が行われる予定です。研究成果の発表にぜひご期待ください。

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図1:SUNRISE-ⅢグループがXにて公開した観測データのサンプルです。飛行中に通信衛星を介して送信された未処理の低画質データ(いわゆるサムネイル)ですが、それでも非常に高品質であることが分かりました。左がSCIPの捉えた静穏領域のイメージとスペクトル画像です。
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図2:SUNRISE-Ⅲの移動経路。キルナ(スウェーデン)から出発し、フォートグッドホープ近郊(カナダ)に着陸しました。ⓒColumbia Scientific Balloon Facility/NASA
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図3:打ち上げ直後のSUNRISE-Ⅲ。気球につられているのが望遠鏡を搭載したゴンドラ。ⓒMPS (D. Germerott)
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図4:カナダの森林地帯に着陸したゴンドラ。太陽パネルの一部は損傷したものの、データストレージや主なコンポーネントは無事に回収された。ⓒMPS (D. Maase)
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図5:マックスプランク研究所の科学運用室。© MPS (A. Korpi-Lagg)
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図6:マックスプランク研究所で撮影したSCIP運用メンバー ⓒNAOJ/JAXA/MPS



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