
黒点相対数の変動(13カ月移動平均)。赤線は最近1周期における変動、緑線と青線は最近1周期における北半球(緑)と南半球(青)の変動、黒線は過去の周期における変動を極小を揃えてプロットしたもの。前太陽活動サイクルから今サイクルにかけて極小が深くまた遅れましたが、現在は太陽活動は順調に上昇しています。ここ半世紀にわたって北半球の活動が南半球より1年から3年先行する傾向が続いており、前サイクルでは北半球は2000年初めに極大となった一方、南半球では2002年初頭が極大で、またその後の極小も北半球が2008年初め、南半球が2009年前半でした。今サイクルでも特に異常はなく、現在既に極大に近い北半球に対して南半球は遅れて上昇しているという、全く従来と変わらない傾向が見られます。
→ 2013年の黒点相対数
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8月の太陽活動は、6・7月と低調だった頃に比べると少し持ち直しました。8月の黒点相対数は75.40でした(7月は63.90)。特に、NOAA11817とNOAA11818という黒点が大きく発達しました(図1)。黒点相対数がもっとも大きかったのは8月20日で、9群36個の黒点相対数126でした。この前後4日間は相対数120前後が続きました。
ところが、太陽フレア活動としては、Cクラス以上が55回/月と7月の109回の約半分と低調でした。最も大きかったのは8月17日19時(UT)に発生したM3.3フレアで、前述のNOAA11818で起きたものです。8月30日にはNOAA11836で起きたC8.3フレアをとらえることできました。広がったツーリボン構造をしています(図2)。
また、8月は大きなフィラメントがよく出現しました。フィラメントは数日から10日間ほど現れることが多く、主だったもので8/6-14(図3),8/17-20(図3),8/24-29(図4)に出現しています。たいてい最後はいつの間にか消えて次の日には見えなくなっています。しかし8月29日はフィラメント少しずつ上昇して、最後には吹き飛ぶ様子をとらえることができました。これをフィラメント噴出と呼びます。フィラメント噴出も太陽フレアと同じように、宇宙天気に大きく影響を与える現象です。
図1:8月14日のNOAA11817とNOAA11818
(画像をクリックすると太陽全面像が表示されます)
図2:8月30日にC8.3フレアを起こした活動領域
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図3:8月6日から14日に出現したフィラメント(左図)。8月17日から20日に出現したフィラメント(右図)
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図4:29日に噴出したフィラメント
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