太陽研究シンポジウム「活動極大期の太陽研究、そして新たな太陽研究への布石」



・日時: 2013年2月20日(水)~22日(金)
・場所: 立教大学池袋キャンパス14号館5階 D501
    (東京都豊島区3-5-13)
・アクセス:JR各線・東武東上線・西武池袋線・東京メトロ丸ノ内線/有楽町線/副都心線「池袋駅」下車。西口より徒歩約7分。
    http://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/direction/
・キャンパスマップ:http://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/campusmap/
・昼食場所の案内:http://www.rikkyo.ac.jp/support/campuslife/backup/_asset/pdf/2012_winter2.pdf
◆開催趣旨
 太陽観測衛星「ひので」の飛翔後、太陽は予想外に長期にわたって停滞した活動極小期の姿を示しましたが、 今までに多様な研究が行われ600編以上の成果が発表されています。また、地上観測も「ひので」等衛星観測との 協調観測による重要な役割を果たしています。2010年あたりから太陽活動度が上昇し始め、幾つかの大フレアに ついて観測に成功し、それらを用いたフレア研究も始まっています。それらの初期成果をもとに、2013年に予想される 極大期において重点的に行うべき課題を明確化して、その課題をさらに深化させる観測や研究へと発展させる討論を 行う機会を持ちたいと思います。2013年以降、打ち上げが迫ったIRIS衛星(NASA)の飛翔や太陽研究も可能なALMA 望遠鏡の稼働も、「ひので」や地上観測との協調によって、新しい視点からの太陽研究や総合的な理解につながると 期待できます。さらに、長期化した極小期や新サイクルの遅延といった太陽周期活動性の異常的な振る舞いが近年観測 され、太陽磁場の周期活動性とその惑星間空間・地球への影響が大きな関心を集めています。
 このホットな話題についても最新の研究を紹介し、国内研究者が討論を行う機会としたい。さらに、現在進行中の科学研究 についての議論を踏まえて、「ひので」後の太陽研究を宇宙観測から牽引する計画として国内外から期待が高まっている 次世代太陽観測衛星Solar-Cをはじめとする将来計画、またそれによる太陽研究の新しい展開について討議を行う機会と したいと思います。

なお、本研究シンポジウムは、名古屋大学STE研共同研究集会「太陽の多角的観測と宇宙天気研究の新展開2013」 および宇宙研宇宙放射線シンポジウムの共催企画として開催します。また、国立天文台野辺山太陽電波観測所による支援を受けています。

世話人:上野悟(京大)、勝川行雄、柴崎清登、花岡庸一郎、森田諭(国立天文台)、増田智(名大)、清水敏文(宇宙研)、矢治健太郎(立教大)

◆講演プログラム
時間表記: 発表時間+討議時間
講演者の*印: 招待講演
2月20日(水) 13:30 − 18:15
座長:上野 悟、花岡庸一郎
セッション1: 地上観測所・観測装置・人工衛星の活動状況

13:30−13:45花岡庸一郎 (国立天文台)
国立天文台太陽観測所の活動報告 (12+3)
13:45−14:00森田 諭 (国立天文台)
三鷹太陽観測所のデータ公開に向けて--フレア望遠鏡観測機器標準データリダクション整備 (12+3)
14:00−14:15柴崎清登 (国立天文台)
野辺山太陽電波観測所活動報告 (12+3)
14:15−14:30増田 智 (名古屋大学)
野辺山電波ヘリオグラフ科学運用コンソーシアム報告 (12+3)
14:30−14:45矢治健太郎 (立教大学)
ひので衛星と高校・公開天文台・科学館との太陽共同観測 (12+3)
14:45−15:00一本 潔 (京都大学)
2012年度の京都大学飛騨天文台における太陽観測・装置開発概要 (12+3)
15:00−15:15上野 悟 (京都大学)
京都大学飛騨天文台ドームレス太陽望遠鏡での共同利用観測とHinode協同観測(HOP0128)の報告 (12+3)
15:15−15:30仲谷善一 (京都大学)
飛騨DST常設型新AOの開発~光学ベンチの設計状況3~ (12+3)
15:30−15:45休憩
15:45−16:00阿南 徹 (京都大学)
中性水素パッシェン系列のスペクトル線を用いたサージの偏光分光観測 (12+3)
16:00−16:15毛利直明 (明星大学)
ひのでと飛騨DSTによる小規模フレアの同時観測 (12+3)
16:15−16:30加藤友梨 (明星大学)
飛騨DSTを用いたエラーマンボムの多波長同時分光観測 (12+3)
16:30−16:45石井貴子 (京都大学)
飛騨天文台SMARTによる太陽全面観測とシーイングモニター結果2012 (12+3)
16:45−17:00永田伸一 (京都大学)
SMART T4を用いた黒点磁場発展の観測 (12+3)
17:00−17:15川手朋子 (京都大学)
SMART T3(FISCH)のこれまでの成果報告 (12+3)
17:15−17:30萩野正興 (京都大学)
可視−近赤外狭帯域チューナブルフィルターの開発 (12+3)
17:30−17:45上野 悟 (京都大学)
CHAINプロジェクトの今年度の活動、観測、研究概要報告 (12+3)
17:45−18:00増田 智 (名古屋大学)
第二期GEMSIS−Sunプロジェクト報告 (12+3)
18:00−18:15議論
今後の装置開発や利用等に関して (15)

2月21日(木) 09:15 − 12:05
座長:増田 智
セッション1(続き):

09:15−09:30三浦則明 (北見工大)
飛騨天文台補償光学系と関連技術の開発 (12+3)
セッション2: 活動極大期の太陽研究I: フレア、宇宙天気
09:30−10:00原 弘久 (国立天文台)*
EIS分光観測から理解されたものと今後の課題 (25+5)
10:00−10:30簑島 敬 (海洋研究開発機構)*
活動極大期のフレア粒子加速研究 (25+5)
10:30−10:45休憩
10:45−11:15浅井 歩 (京都大学)*
フレアカーネル・フレアリボンの観測的研究 (25+5)
11:15−11:45西塚直人 (JAXA宇宙科学研究所)*
フレア噴出現象の観測によるエネルギー解放機構の理解と課題 (25+5)
11:45−12:05田中康之 (広島大学)*
フェルミ衛星によるMeV/GeV領域の太陽フレア観測と多波長連携で切り拓くサイエンス (15+5)
12:05−13:15昼食
2月21日(木) 13:15 − 18:00
座長:柴崎清登
セッション3:活動極大期の太陽研究II: フレア、活動領域、磁気活動

13:15−13:45岩井一正 (国立天文台)*
CME・コロナ活動の電波観測 (25+5)
13:45−14:15草野完也 (名古屋大学)*
太陽フレアの発生予測について:現状と課題 (25+5)
14:15−14:45石井 守 (情報通信研究機構)*
NICT宇宙天気予報の現状 (25+5)
14:45−15:00柴田一成 (京都大学)
太陽でスーパーフレアは起きるか? (12+3)
15:00−15:15高橋卓也 (京都大学)
2012年3月7日X5.4フレアに伴うEUV波によって励起された大振幅プロミネンス振動の観測から求まるMHD衝撃波としてのEUV波の性質について (12+3)
15:15−15:30竹田洋一 (国立天文台)
恒星として見た太陽の活動レベル---太陽類似星CaK輝線強度の比較研究 (12+3)
15:30−16:30ポスターセッション (休憩含む) 会場:D502
16:30−17:00一本 潔 (京都大学)*
黒点研究の現状と課題 (25+5)
17:00−17:30鳥海 森 (東京大学)*
磁束浮上・活動領域形成とその物理 (25+5)
17:30−17:45北井礼三郎 (京都大学)
黒点半暗部の形成 (12+3)
17:45−18:00飯田佑輔 (東京大学)
太陽静穏領域における磁極素過程頻度と表面磁束量描像 (12+3)
18:30−20:30懇親会 立教大学池袋キャンパス 第一食堂
2月22日(金) 09:00 − 11:45
座長:勝川行雄
セッション4:活動極大期の太陽研究III: 活動周期性

09:00−09:30塩田大幸 (理化学研究所)*
ひのでで観測した太陽極域磁場の反転 (25+5)
09:30−10:00柴崎清登 (国立天文台)*
グローバルな太陽活動状況 (25+5)
10:00−10:30望月優子 (理化学研究所)*
南極氷床コアからさぐる過去の太陽活動周期 (25+5)
10:30−10:45休憩
10:45−11:00堀田英之 (東京大学)
太陽対流層内部の未解決重要問題について (12+3)
11:00−11:30能勢正仁 (京都大学)*
サブストーム(オーロラ嵐)の発生頻度と太陽活動の長期変動について (25+5)
11:30−11:45新堀淳樹 (京都大学)
地磁気静穏日変化の長期変動について (12+3)
11:45−12:45昼食
12:45−13:30ポスターセッション 会場:D502
2月22日(金) 13:30 − 18:00
座長:清水 敏文
セッション5:新たな太陽研究への布石

13:30−13:55岡本丈典 (JAXA宇宙科学研究所)*
打ち上げ迫る衛星 IRIS:ひのでと組んでするべきことは? (20+5)
13:55−14:20下条圭美 (国立天文台)*
ALMAで切り開く新しい太陽観測 (20+5)
14:20−14:35松原豊 (名古屋大学)
メキシコの4,600m高山に稼働間近の高感度太陽中性子望遠鏡 (12+3)
14:35−15:00柴田一成 (京都大学)
太陽研究者連絡会の将来計画 (20+5)
15:00−15:55草野完也、徳丸宗利 (名古屋大学)*
次世代太陽圏ネットワーク観測
次世代太陽圏環境変動観測ネットワーク計画「IPS観測で解き明かす太陽ダイナモ活動と太陽圏変動の関係」 (35+20)
15:55−16:10休憩
16:10−16:25鹿野良平 (国立天文台)
Lyα線偏光分光観測ロケット実験CLASPで拓く彩層・遷移層磁場計測 (12+3)
次世代太陽観測衛星Solar-C計画(16:25−17:30)
16:25−16:40渡邊鉄哉 (国立天文台)*
Solar-C計画 (Overview + Science) (12+3)
16:40−16:55一本 潔 (京都大学)
Solar-C 光学磁場診断望遠鏡(SUVIT) (12+3)
16:55−17:10清水敏文 (JAXA宇宙科学研究所)
高解像度で太陽大気を分光診断する紫外線高感度分光望遠鏡EUVST (12+3)
17:10−17:25坂尾太郎 (JAXA宇宙科学研究所)
Solar-C X線/EUV望遠鏡 (12+3)
17:25−17:30議論(5)
17:30−17:45花岡庸一郎 (国立天文台)*
次期地上太陽望遠鏡計画 (12+3)
17:45−18:00川勝康弘 (JAXA宇宙科学研究所)
太陽極域探査計画SOLAR-Dに向けた技術開発状況(深宇宙探査技術実験機DESTINYの概要) (12+3)
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ポスター講演
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P1.プリフレアにおけるジャイロシンクロトロンによる偏波の増加川手朋子 (京都大学)
P2.太陽活動・太陽圏環境復元のための炭素14分析の高精度化に向けて宮原ひろ子 (東京大学)
P3.飛騨天文台DSTでの偏光分光観測による黒点振動現象の解析大川明宏 (茨城大学)
P4.CMEとEUV波の統計的解析阿部修平 (茨城大学)
P5.飛騨天文台DSTでの偏光分光観測によるダークフィラメントの磁場診断澤田真平 (茨城大学)
P6.小型望遠鏡を使用した太陽観測の自動化須藤謙人 (茨城大学)
P7.野辺山電波ヘリオグラフを用いた彩層磁場診断岩井一正 (国立天文台)
P8.X線ジェットの速度の時間変化佐古伸治 (総合研究大学院大学)
P9.リムフレアにおける分光撮像観測今田晋亮 (名古屋大学)
P10.Systematic Microwave Source Motion along Neutral Line during Two-ribbon FlareSujin Kim (国立天文台)
P11.Nobeyama Radioheliograph solar burst analysis with 3D loop models databaseTereza Satiko Nishida Pinto (DAS/INPE, Brazil, 国立天文台)
P12.衛星観測によるフレアトリガ研究伴場由美 (名古屋大学)
P13.太陽&地球&惑星の磁場反転を記述するマクロ・スピンモデル中道晶香 (京都産業大学)
P14.太陽浮上磁場-アーケード磁場相互作用によるプラズマ放出機構とパラメーター依存性金子岳史 (東京大学)
P15.輻射磁気流体計算による超粒状斑・磁気ネットワークの成因に関する研究飯島陽久 (東京大学)
P16.静穏領域の典型的な磁場構造と全磁束量勝川行雄 (国立天文台)
P17.太陽硬X線観測ロケット FOXSI による高感度撮像分光石川真之介 (国立天文台)
P18.飛騨DSTによる月面におけるカンラン石1.05ミクロン吸収検出の試み坂江隆志 (埼玉県立浦和西高等学校)
P19.超高層大気長期変動の全球地上ネットワーク観測・研究(IUGONET)プロジェクトの進捗と超高層・太陽・気象データ登録状況谷田貝亜紀代 (京都大学)
P20.太陽観測衛星「ひので」による太陽フレア観測の現状渡邉恭子 (JAXA宇宙科学研究所)
P21.東北大学太陽電波観測装置の現況と開発計画三澤浩昭、土屋史紀、佐藤伸太郎 (東北大学)
P22.太陽画像データに基づく、太陽紫外線放射量の活動周期変動の推定 -第23/24太陽周期極小期の異常な振る舞い-浅井 歩 (京都大学)