STEP広視野マグネトグラフ

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 太陽地球系エネルギー国際共同研究(STEP: Solar Terrestrial Energy Program)は、国際学術連合会議(ICSU)の太陽地球系物理学科学委員会(SCOSTEP)が中心となって1990年から1997年にかけて推進した大規模な国際共同研究です。我々は太陽・地球系のエネルギーの源である太陽、特に太陽風と太陽磁場の相互作用を研究するため、STEPプロジェクトの一環として広視野マグネトグラフを建設しました。広視野というのは、太陽全面が一度に観測できるという意味です。
 この装置は太陽フレア望遠鏡の西隣に設置されています。観測室が南側にあり、その北側にヘリオスタット室があります。ヘリオスタットの2枚の平面鏡(口径20cm)で観測室に導かれた太陽光は、口径6.5cmの対物レンズを通ってCCD上に直径約5mmの像を結びます。磁場観測は複屈折フィルターで5324Åの鉄の吸収線の偏光を測ります。またスペクトル線のドップラー変移から太陽表面のガスの運動速度もわかります。
解説記事
桜井隆:「STEP広視野マグネトグラフ」、国立天文台ニュースNo.32、p.3(1993年9月)

論文リスト

磁場マップの例
速度場マップの例