乗鞍コロナ観測所

【おことわり】乗鞍コロナ観測所は、自然科学研究機構本部に移管されました。ここで紹介しているのは、過去に国立天文台太陽観測所にて運用をしていた時の状況であり、現状を表すものではありません。

【お知らせ】乗鞍コロナ観測所は、60年間の運営を無事に終えた業績により、平成22年度国立天文台台長賞を受賞しました。受賞式の様子 表彰状 記念プレート

Norikura

乗鞍コロナ観測所は、1949年東京大学東京天文台の附属施設として開設された観測所で、北アルプス乗鞍山系摩利支天岳(海抜2876m)の頂上に位置し、
口径10cmコロナグラフ
口径25cmコロナグラフ
口径10cm新コロナグラフ
の3台のコロナグラフを備えています。コロナグラフは、皆既日食でなくてもコロナを観測することができる特別な望遠鏡で、太陽像の位置に円板を置き、人工的な皆既日食をおこすようになっています。観測所としてこのような高地が選ばれたのは、コロナは明るさが太陽本体の百万分のーほどしかなく、たとえコロナグラフでも、空の背景光が少ない高山でなけれぱ観測ができないからです。また、高山のシーイングの良さを生かして、太陽縁にみられるリム・フレア、プロミネンス(紅炎)、スピキュールなどの現象、フレア、プラージュ、ダーク・フィラメント(暗条)などの太陽面上の現象の観測的研究も行っています。
 乗鞍コロナ観測所の夏期は、気温約10℃で人員物資の輸送も容易ですが、冬期は気温が-20℃以下の極寒の環境となります。登山は、一部は雪上車が使えますが、観測所への最後の急斜面は物資を背負っての徒歩登山です。観測所員は一週間交代で勤務し、食料は主として貯蔵食品を、水は雪を溶かして用います。観測及び生活のすべてをまかなう電気は、150kVAのディーゼルの自家発電設備によって供給されます。

25cmコロナグラフは全国の太陽研究者の共同利用観測に使用されています。共同利用期間は例年7月~10月半ばです。観測時間の公募についてはこちらをご覧下さい。共同利用結果報告のフォーマットはこちらをご覧下さい。
乗鞍コロナ観測所パンフレット:低解像度 (743KB)高解像度 (2.2MB)
観測所の気温自動モニター装置
コロナ観測所上空の天の川と夜天光(通信総合研究所提供)
乗鞍コロナ観測所40年誌(抜粋)
乗鞍コロナ観測所50年のあゆみ(写真集)
乗鞍コロナ観測所60年史
森下博三 Selected Solar H-alpha Photographs (1987)
乗鞍コロナ観測所の気象データ
世界の主なコロナ観測所


乗鞍コロナ観測所 (東経137°33′19″,北緯36°06′49″,海抜2876m)
〒390-1500 長野県松本市安曇 乗鞍岳(通年)
〒506-2100 岐阜県高山市丹生川町 乗鞍岳(7月〜10月)