§8 協力・援助

 外部の団体や個人への援助・協力は,学術上及び地元公益の事項についてのみ業務に支障をきたさない程度で行われた。それは時間的に制約を受けないこと,生活上に不便・忍従を強要されないことが条件であるが,一部実験小動物の飼育のみは,雪氷で閉塞された狭い建物内に臭気が篭り困惑したこともあった。
 また,一般登山者の遭難救助では,同行者から救助を求められたり,現場を目撃して遭難者を救助したことが多かった。しかし観測所員は遭難救助を行なうための特別な訓練を履修しているわけでもなく,当時一部で問題となった二重遭難の教訓と,観測所に滞在する目的が違うところから,事故の発生を知った場合には一応地元警察,救助隊等に連絡を行なうよう改めた。

(一部資料紛失により記録に残るもののみとする)
1956       南極観測隊用寒冷地対策資料(日本学術会議南極観測準備室)
1957~      冬期寒冷地訓練実施協力(日本学術会議南極特別委員会)
1959( 8.19)    規定濾紙による流星塵の採取観測協力(科学博物館)
1961( 6. 8)    長野県下における災害発生時に対処するための非常無線訓練に参加
1963( 5. 7)    極地用防寒靴等の耐寒試験(極地装備研究)
1965(10.21)    第20回秋季国民体育大会(岐阜国体)  採火式(岐阜県)
1966( 7. 1)    高山植物等観光資源の保護指導及び監視員の委嘱(松本営林署)
  (10. 3)    太陽電池テスト(NHK総合技研)
1967~1969    雪上車テスト(富士山測候所)1967(2.22,4.26) 1968(3.5)
                       1969(3.11,10.7)
1968       乗鞍岳周辺学術調査(日本自然保護協会)
1969~1970    着氷調査(北海道大学・低温科学研究所)
         1969(2.19,10.10)  1970(1.27)
1971(7.22~30)  太陽電池テスト(東京大学宇宙研究所)
1975(9.16~19)  高地生活が猿に及ぼす影響の実験(京都大学・霊長類研究所)4頭
1975976 夏山気象観測通報(気象協会)1975(6.30~8.31) 1976(6.30~8.31)
1975976977  セシューム時計による一般相対論の検証実験(東京天文台・保時)
         1975(8.7~9.4) 1976(6.26~7.4) 1977(6.14~23,7.4~11,7.20)
1981982983  冬季松本空港利用のための気象通報(東亜国内航空)
         1981.12.1~1982.3.31 1982.12.1~1983.3.31
1983984985  オゾン濃度のバックグラウンド値連続測定
         (環境庁公害研究所・長野県公害衛生研究所)1983.6月~1985.7.2