ハ.観測機器の開発と変遷

コロナグラフ試作第1号機 1947(S.22) (p.35)
       全木製箱型経緯儀・ 台:前脚丸太組・後脚木製三脚を使用
       対物レンズ  φ:160mm・f:1450mm(両凸単レンズ)
       視野レンズ  φ: 50mm・f: 145mm
       写真レンズ
       遮光円板  φ:12.5mm
       ガイド望遠鏡(小型) 投影板方式 待伏せ式のガイド
                   (微動 α,δ:スクリュー)
       取枠(手札) ソルントンシャッター,フィルターゼラチン

コロナグラフ試作第2号機 1947(S.22)
       シュタインハイル改造型赤道儀(台:木製三脚)
       対物レンズ φ:120mm・f:1500mm・平凸レンズ・(日本光学製)
       平面斜鏡, φ: 12mm・α:15
       視野レンズ φ: 50mm・f: 150mm・平凸レンズ
       写真レンズ F:4.5 ・f: 120mm・テッサー
       遮光円板  φ:14.4,14.6,14.8,15.0,15.2,15.4の6枚
       絞りシャッター 1.0s~1/200s
       ガイド望遠鏡 (大型) 対物レンズ・ φ:100mm・f:800mm・L:1300mm
       投影板・140mmφ
       色ガラスフィルター
       改造点:赤道儀としレンズを新品・交換ディスクを視野レンズに取付けた
コロナグラフ試作第3号機 1948(S.23)
       五藤6吋改造型赤道儀(台:225kg朝顔型)
       鏡筒  162φ・ L:2750mm フード L:600mm
       対物レンズ  φ:120mm・f:1500mm・平凸レンズ
       視野レンズ  φ: 50mm・f: 150mm・平凸レンズ
       写真レンズ  F:4.5 ・f: 120mm・テッサー
       遮光円板  φ:14.4~15.4の6枚
       接眼部  f:40(37X)
       反射鏡  φ1:200・φ2:110・F:580mm
       太陽放出口反射鏡 φ:40・f:58mm
       ガイド望遠鏡 (大型)・ φ:100・f:800mm・L:300mm
       投影板  140mm 
       ヒルガー分光器を使用
      ○試作第2号機より試作第3号機への改造点
       1.五藤光学の6吋赤道儀を使用
       2.鏡筒を改造して光学系を入れる
       3.ディスク以後を外して調整出来るようにする
       4.対物レンズの前に凹面鏡絞りを入れる
       5.鏡筒内に絞りを取りつける
       6.ガイド投影板を円板式に改良
       7.ヒルガー分光器を取り付ける
       8.赤道儀はフォーク式とする
         以上の点について数量的に検討を行う

◎コロナグラフ試作第3号機の改造 1948(S.23)
       五藤光学6吋改造型赤道儀
       架台:朝顔型の部分の代りにコンクリートの台を造り上部のみ使用
       対物レンズ  φ: 120mm・f:1500mm・平凸レンズ
       視野レンズ  φ: 50mm・f: 150mm・  〃
       写真レンズ  F:4.5 ・f: 120mm・テッサー
       平面斜鏡  φ: 12mm・α:15
       遮光円板  φ:14.4mm~15.4mm(0.2mmステップで 6枚)
       ガイド望遠鏡 (小型)・1号機と同じ・投影板同上
       ヒルガー分光器使用

コロナグラフ試作第4号機 1949(S.24)
       五藤6吋改造型赤道儀 架台:第三次と同様
       対物レンズ  φ: 120mm・f:1500mm・平凸レンズ
       視野レンズ  φ: 50mm・f: 150mm・平凸レンズ
       写真レンズ  φ: 30mm・f: 120mm
       平面斜鏡  φ: 12mm・α:15
       遮光円板
       リトロ分光器
       コリメータレンズ  φ: 80mm・f: 700mm
       グレーティング  φ:3"
       像回転プリズム
       ガイド望遠鏡 (大型)・3号機の改造型(φ:100mm・f:1500mm)
                         ・投影板なし

10cmコロナグラフ(日本光学K,K,製)1950(S.25) Sep.05 据付
   ・対物レンズ φ:128mm(有効口径10cm)  f:1508mm・平凸レンズ
   ・視野レンズ φ: 50mm( 〃  48mm)  f: 240mm・平凸レンズ
   ・写真レンズ φ: 34mm( 〃  32mm)  f: 204.5mm
   ・合成焦点距離 206cm ・ 最終太陽像直径 1.9cm ・ 口径比 20.6
   ・反射鏡(金属)φ:110mm   f:700mm
   ・遮光円板  D1 φ:14.3~15.4(0.1毎)及φ:16・17  計14
     (mm)   D2 φ:15・16.9・18.8          〃 3
          D3 φ: 3                〃 1
    光放射用鏡   φ:42mm(有効40mm)  f:55
 附属・リトロ分光器 コリメーターレンズ φ:60mm(57)  f:600mm
     (1951)   写真レンズ f:4.5   f:210mm
           グレーティング 85.4m×67.5mm 600本/mm
   ・直視分光器 分散度 25Å/mm(5303Å)・ 60Å/mm(6374Å)
   ・紅炎用連続撮影装置(1951)
   ・偏心修正装置(1952)
   ・光電測光装置(1951952)
   ・コロナ単光写真装置(1955)・Lyot filter
   ・光電追尾装置(1955)
   ・遮光円板(mm) D=φ14.1~14.8 (0.05毎) 151969)
   ・狭帯域干渉フィルター撮影装置(1978~ )
   ・コロナ緑色輝線測光方法の改良(1976~1981)

紅炎早取写真撮影装置 1955(S.30)据付
 *シーロスタット 1stミラー, 2ndミラー・口径30cm パイレックスガラス AL表面反射鏡
         光電追尾用微動モーター付
 *太陽像固定望遠鏡 及び 写真撮影装置
   ・対物レンズ φ:130mm  f:2500mm  アクロマート
   ・接眼レンズ H=60   H=40   H=25
   ・写真像の大きさ 1/2倍:12mmφ,1倍:24mmφ,2倍:48mmφ
   ・写真装置 手札明暗箱,レフボックス付35mm シネカメラ及タイマー
   ・遮光筒  D≒250mm
   ・遮光円板 太陽像変化1"毎相当
 *自動追尾装置
   ・対物レンズ  f:2500mm 紅彩絞り付 光球像投影板
   ・受光部  弧状スリット2組(1組2ヶ)のバランス型,追尾精度角度1"
    遮光円板の移動に連動,中央部に露出,感度調整用露出計
 *Lyot Filter(ベアードHα用)及温度調節装置
   ・口径 50mmφ,視野 2゜,透過波長域 1.2Å
   ・透過波長中心の移動可能範囲 1.8Å
   ・恒温装置精度・1/100℃

K-コロナメーター 1961(S.36)据付
   ・対物絞り凹面反射鏡 内径 80mmφ
   ・対物レンズ φ:80mm(有効)  f:2000mm
   ・円錐円板  外径500mm,頂角約151C中央の穴の径 角度:4'及10'の2種
   ・測定視界絞り 孔の直径が2',3',4',5'の4種類でターレット式
   ・視野レンズ φ:28mm(有効)  f:260mm
   ・残存偏光補償板・検定光学系・回転1/2λ板
   ・対物レンズ辺散光除去絞り(口径11.6mmφ)
   ・短波長切断用フィルター(Y43)・光電子増倍管(EMI 9524)・直流増巾器
   ・光変調器(1/4λ板・ADPのZカット板・偏光板有効28mmφ)
   ・位置角表示用マイクロスイッチ・可変偏心回転装置

25cmクーデ型コロナグラフ 1971(S.46))
 *主望遠鏡
   ・対物レンズ φ:310mm(有効250mm)  f:5000mm・単レンズ及2枚色消レンズ
   ・オッカルティングディスク(3種類を交換使用)
   ・視野レンズ φ:130mm(120mm)  f:2250mm
   ・光路折返し反射鏡(2枚)
   ・色収差補修レンズ φ:160mm(153mm)  f:2500mm
   ・クーデ鏡(2枚)
   ・合焦レンズ
   ○対物レンズ使用径250mm,合成焦点距離8800mm,波長範囲3400~11000Å,
    全視野 1C解像力・視野中心部で1"以内
 *架台・ヨーク式赤道儀
    ・駆動装置・時計駆動(同期電動機による)
         ・ハンドセット(電動により早廻し,粗動,微動 可能)

 *光電案内装置
   ・対物レンズ φ:105mm(有効100mm)  f:5000mm
   ・結像部の4スリットの相対する2組の光量差をシリコンフォトダイオードで検出,
    自動的に補正追尾させる

 *外界監視用 I.T.V f:13mm,視界約60

 *望遠鏡用制御盤 望遠鏡関係の駆動を制御する

 *広視野望遠鏡
   ・対物レンズ φ: 83mm(有効 80mm)  f:1200mm
   ・照準用スクリーン 200mm角,透明タイプ,方位の彫刻
   ・観測用接眼レンズ H-40,H-25,H-18,H-12,O-9

 *スリット グレーティング分光器及エッシェル分光器共用スリット 10種類13個
   ・直線スリット 幅可変式 幅 5μ~1mm     1個
           幅固定式 幅25μ,50μ,100μ 各1個
   ・円弧スリット 曲率半径 16'10",16'40"     2種
           幅固定式 25μ,50μ,100μ  各2個

 *長焦点分光器 この分光器は二つのグレーティングを交換使用することができ,
         コリメータ鏡とカメラ鏡を兼用した,リトロータイプの光学系に
         より,高分散の分光観測ができる
   ・対物鏡 φ:600mm(有効580mm)  f:7000mm
   ・反射グレーティング   A.          B.
     有効面     204×306mm       200×400mm
     溝本数     1200本/mm        632本/mm
     ブレーズ角    289'          57
     ブレーズ波長   8032Å       ALL
     波長範囲   3500~10000Å      3500~10000Å
     分 散  1.1Å/mm(5000Å第1次) 0.25Å/mm(5300Å第5次)
 *短焦点分光器 グレーティング及コリメータ鏡は長焦点分光器と共用,長焦点分光器
         の光軸と8°離れた方向で分散光の写真撮影をする
   ・波長範囲 3500Å~10000Å
   ・分 散  3.3Å/mm(第1次)
   ・カメラレンズ φ:200mm(有効)  f:2400mm
   ・カメラ  35mmカメラモータドライブ・データ焼込装置

 *エッシェル分光器 2ヶのグレーティングの分散方向を直交させることにより,広い波
           長範囲を一度に分光観測する
   ・波長範囲 3500Å~7000Å
   ・分 散  約0.5Å/mm
   ・コリメータ鏡 φ:140mm(有効) f:3500mm
   ・透過グレーティング    有効面 128×254mm,溝本数 83本/mm,
                 ブレーズ角 65',ブレーズ波長 7700Å
   ・エッシェルグレーティング 有効面 128×254mm,溝本数 73.25本/mm,
                 ブレーズ角 635',ブレーズ波長 全波長,
   ・補正レンズ 大きさ 190×300mm
   ・カメラ鏡 φ:800mm(有効750mm)  f:2500mm
   ・カメラ  フィルム送り,駒区切用パンチ,データ焼込装置,
         航空写真用フィルム使用(190mm×60m),使用画角 120mm×260mm
 *前光学系
   ・単色案内装置   分光観測中,スリット面反射光を特定波長(6563Å)で
             ガイド・写真撮影する装置
    リレーレンズ   φ:100mm(有効)アクロマート  f:1000mm,倍率 1×
    リオ・フィルター 2種交換使用可
    カメラ      35mmカメラ・モータドライブ,データ焼込装置,
             観察光学系(倍率 4.3×)
   ・直接写真撮影装置 スリット直前で3枚の反射鏡によって直接像を観察し,
             写真撮影する。
     眼視観測    自在接眼(K-60mm)(透明スクリーン)
     投影観測    接眼レンズ(H-60mm)
     写真撮影    単色案内装置用カメラの利用可
   ・像回転装置

 *分光器制御盤     分光器関係一切を制御する

セメル式偏光計(第1号) 1975(S.50) 
   ・目的・種々の太陽面現象の偏光観測を行う
   ・構成
    Z:遮光板 開口巾0.2mmの縞状の開口部(ゼブラ板)を持つ
      厚み 40μm(材質 ニッケル)
    Q1,Q2:結晶ブロック 厚み 24mm(材質 水晶)
    波長位相板:1/4λ,1/2λ(プラスチックシート)
    P:直線偏光板:ポラロイド HN-22(ガラス板サンドイッチ)
    F:防熱フィルター 熱線反射型干渉フィルター(パイレックスベース)
   ・観測
    コロナグラフの対物焦点位置にセットし偏光計通過後
    分光器入射スリット上に再結像される
    位相板の使用によって直線又は円偏光計として使用できる
   ・特長
    この偏光計は5000Åから6500Åの広い波長域で使用できるため
    多数の吸収線を使って磁場の測定が可能である
◎20cm単色写真儀(25cmクーデ型コロナグラフ背面利用取付) 1977(S.52)
   ・目的・解像度の高いHα単色像を写真撮影する装置(通称仙人カメラ)
   ・対物レンズ φ:200mm(有効180mm)  f:5000mm・色消しレンズ(日本光学製)
   ・リオ・フィルター 透過中心波長 6563Å,透過半値幅 0.5(1.0)Å
             使用温度 43瀉,口径 30mmφ,視界 2.5i円)
             材 質 Q×7, K×2, Line shifter ±1.0Å
             干渉フィルター 半値幅約 50Å Halle,接着バルサム
             透過率 5% ,コントラストエレメント付
   ・カメラ      35mmニコンF2,モータドライブ,250フィルムバック
             250データバック,手動・自動による撮影可
   ・架台       リオ・フィルター,カメラ取付架台をスライドテーブルに
             マウント,フォーカス手動調整

◎非球面レンズ(試作) 1977(S.52)
 コロナや彩層・紅炎などの太陽外層現象を観測するコロナグラフの対物レンズに散乱光の増大を極力おさえながら解像性能を向上させるために対物レンズを非球面化することを試みた
 *レンズの形状
   φ:128mm(100mm) f:1500mm
   第一面の曲率半径 r1:891.0mm
   第二面を非球面としレンズ中心(頂点)を原点とし
   r2:-6069mmの基準球面に対して修正量を計算して設計,試作された
◎狭帯域干渉フィルターによる太陽コロナ,紅炎単色像撮影装置1978(S.53)
10cmコロナグラフの焦点面近くに狭帯域の干渉フィルターを用いて,コロナ輝線
 (5303Å374Å)によるコロナ像と,水素Hα線(6563Å)及びヘリウムD3線(5876Å)  による紅炎像の単色写真観測を行うための撮影装置
   L:コロナグラフ結像レンズ φ:34mm・f:204.5mm
   F1:熱線除けフィルター   50mm×50mm(東芝色ガラスフィルターIRA)
   F2:干渉フィルター     φ:50mm(米国 Infrared Industry社製)
     6563Å 中心透過率 60% 透過半値巾 3.0Å ターレット式(枠φ:212mm)
     6374Å   〃 44%   〃 3.86Å に交換使用
  5876Å   〃 38%   〃 3.63Å
5303Å   〃 38%   〃 3.28Å
   F3:色ガラスフィルター   50mm×50mm(東芝V-R60,V-O59,V-O51,V-Y50)
   f:金枠
   H:ヒーター(定格 120V,50W)
   C:カメラjコンF,250コマモータドライブ
 *干渉フィルター温度制御
  シリコンラバヒーター(25mm×150mm:坂口電熱)
  ゴム板(25mm×150mm:坂口電熱)
 NTCサーミスタ(20℃:12kΩ,0℃:30kΩ)
  IC(TA7606P:東芝)
  トライアック(SM 2D 41:東芝)
  温度設定用ポテンショ(20kΩ)

◎コロナ緑色輝線強度測定の基準光 1981(S.56)(p.53)
 コロナ緑色輝線強度測定の基準光源として利用したタリューム放電管に変えてオプチカルグラスファイバーを用いて,太陽光球光を直接分光器内に導入して,輝線強度の基準を作る方法
  緑色フィルター V-G 50
  干渉フィルター 中心波長5303Å,透過巾 60Å
  集光レンズ
  オプチカルグラスファイバー φ:6mm L:1m(住田光学硝子製造所)

◎セメル式偏光計(第2号) 1981(S.56)
 第1号偏光計を使用して観測を続けた経験をもとにして新しい第2号偏光計を製作した。 原理については第1号偏光計と全く同じである。 光学部品の各々は目盛付回転枠に組込み個々の再現性を考えてV形溝にセットする
    Z:遮光板 開口巾2.0mm(材質 モリブデン)
      回折の影響を無視できるようになり線膨張係数4×10-8のモリブデンを使用
      したことで熱による歪みが問題にならぬ程小さくなった
    Q1,Q2:結晶ブロック 厚み 13mm(材質 方解石)
        結晶ブロックを方解石に変えたため,光路の延長量が小さくなり,コロ
        ナグラフの合焦レンズの作動範囲内で焦点合せが可能となった
 第2号偏光計が完成した時点で高次スペクトルによる高波長分解能回折格子を使用し
 空間的分解能が2"以下に向上した

◎スペクトロ・ヘリオグラフ 1981(S.56)
   ・目的・太陽面現象の2次元情報を各波長の単色像として得る
   ・構成・分光器入射スリット部及びスペクトル像を取出す射出スリツトとカメラ部
       から成り,双方のスリットが連動して駆動できる
  入射スリット部
   ・スリット:アルミ蒸着銀切スリット,スリット巾25μm,50μm,スリット長24mm
    ・シャッター:パルスモーター駆動 開閉12パルスで作動
   ・駆動:マイクロメーター螺子 ピッチ0.5mm,ストローク20mm
       パルスモーター駆動 1パルス 1.67μm
  射出スロット(スリット)部
   ・スロット:真鍮製,スロット巾3,5,10mm,スロット長24mm
   ・スリット:アルミ蒸着銀切スリット,スリット巾25,10μm,スリット長24mm
   ・駆動:マイクロメーター螺子 ピッチ0.5mm,ストローク20mm
       パルスモーター駆動 1パルス移動量 1.67μm
  長尺カメラ駆動部
   ・カメラ:コールマン70mm 画面サイズ 24×80mm
   ・駆動:マイクロメーター螺子 ピッチ0.5mm,ストローク70mm
       パルスモーター駆動 1パルス移動量 1.67μm
  その他
   ・視野レンズ 平凸レンズ φ:40mm f:100mm
   ・再結像レンズ オリンパス・ズイコーMC 1:1マイクロ f:80mm F:4
  本装置はマイクロ・コンピューター(MZ-80)に内蔵されているI/Oボードの出力ビットをプログラムでON/OFFさせたり,入力ビットを読み取ることによって各部分を作動及び制御する

◎太陽面現象監視システム 1985(S.60)
 テレビモニターによって太陽フレアー及び黒点等が監視できるシステムで,光学系コントローラーで対物レンズ用のX-Y軸移動機構と絞り機構及び縮小,拡大光学系の切換機構がコントロールできる。 映像切換分配器ではCCTVカメラの映像信号と,長時間 VTRの再生信号を切換え,収納台車のテレビモニターと外部テレビモニターへ同時に映像信号を送出できる。 又広帯域映像分配器によって,CCTVカメラまたは長時間VTRからの映像信号を外部テレビモニターへ分配出来る
 対物レンズ部,対物レンズ φ:150mmをXY方向に移動させる機構と,縮小光学系に切換えるのと連動して,絞りを対物レンズ前面に挿入する機構で構成される
   ・対物レンズ φ:150mm・ F/15 ・プレート:RO-TO(NIKON)
    対物レンズ移動量 XY方向に各々光軸より±25mm
   ・縮小,拡大光学系 縮小及び拡大光学系の切り換え機構と光学部品,Hα干渉フ
    ィルター,TVカメラ等の保持部分より構成される
 縮小・拡大レンズ系
 EDCフジノンW φ:105mm・F/5.6
  コンゴー    φ:135mm・F/4.5
  コンゴー    φ:360mm・F/6.3
  コンゴー    φ:360mm・F/6.3
  Day Star   Hα干渉フィルター
・リモートコントローラー 対物レンズのXYシフト及び絞り機構,縮小拡大光学系の切
 り換え機構のリモート操作ボタン及びその回路で構成される
・CCTVカメラ 日立HV-200C-S 及びカメラ制御器
・ビデオモニター
◎25cmコロナグラフ分光器用フィルター移動装置 1985(S.60)
   ・目的・分光器スリットの後方に取付け,フィルター1枚あるいは数枚を組合せて
       太陽光の必要な波長を選択し,分光観測を行う
   ・構成
       1.フィルター移動装置本体 2組
       2.フィルターマガジン   4個
       3.フィルター本体
       4.フィルターを傾斜させる時の保護板 40枚
       5.コントロールボックス  1個

◎CCDカメラによる分光観測システム
○目的 太陽内部の三次元構造を探るために,太陽表面大気にみられる大規模振動,大規模微少速度場,太陽面輝度分布,全面磁場を観測的に調べることを目的とする
○構成 25cmコロナグラフの長焦点カメラ部のフィルム箱と交換する形で取りつけられ,内部に三台のCCDカメラが並び,場所は任意の位置に移動できる。 カメラ箱は密閉断熱され冷却機から強制通風により冷却される。 カメラ出力はイメ-ジプロセッサにより,アナログ ディジタル変換され,デ-タは光ディスクに格納される。 望遠鏡,カメラ,イメ-ジ プロセッサ,光ディスク等の動作はコンピュ-タにより自動制御される
○要素・  CCDチップ    2/3インチ LC9911型(三洋電機)
       画素数     574×485
       ピクセルサイズ 17μm×8.5μmフレ-ム・トランスファ-型二次元
       色感度   ピ-ク値の20%に落ちる波長範囲で4000Å-10800Å
     ・冷却装置 CCD冷却装置(日本冷機製作所)
       温度範囲 -30℃~常温
       調節温度 0.5℃
       冷却方式    装置蓄冷型(多段式プレ-トフィンク-ラ冷却方式
       電源電圧 AC200/220V 3相 50/60HZ
       所用電力    約3.7KVA
       冷凍機 UF1531S 1.5KW 空冷式(東京三洋電機)
     ・イメ-ジプロセッサ PIP-4000 (エ-ディ-エスKK)
       空間分解能 512×512 画素
       輝度分解能 8ビット 256レベル
       処理メモリ   画面用メモリが9ヶあり特にその一つは加算用で16
               ビット幅である
     ・光ディスク DF-0450型 (東芝)
       デ-タ容量 1.8Gバイト/片面
       デ-タ転送速度 2.5Mビット/秒
       ランダムアクセス速度 1.0秒 (平均)
     ・コンピュ-タ   テクニカルコンピュ-タ 9100IIL型(セイコ-製)
       CPU       8086-2(8MHZ)
       オペレ-ティング・システムに リアルタイム/マルチジョブ 機能を持つ
       インテル製 の IRM×86 を装備
       プログラム言語は ス-パ-ASIC で一部 アセンブラ を使用した
       メモリは 1M ミニ・フロッピ-ディスク(640K) 2台を持つ
       インタ-フェイスは高速の GPI(190K/sec)で,望遠鏡,イメ-ジ
       プロセッサ,光ディスクに接続される