ロ.各年における観測関連事項(昭和25年~昭和62年)
1950(S.25) ◎ 所長 野附(7月26日付) 4/22 1)スカイホトメーター完成(自由ヶ丘光学製)乗鞍でテストを行う 6/ 1 2)コロナ観測特別事業として正式に認められる 6/13 3)ランプホトメーターの試作始まる 7/ 4 4)本日よりコロナデーターは新型式による 7/26 5)開所式(乗鞍岳畳平において) 8/ 4 6)光電測光テスト始まる(古畑・中村) 9/ 5 7)10cmコロナグラフの搬入組立及据付調整(日本光学工業) 9/30 8)スリット巾と光学ウエッヂによる観測を開始 10/10 9)ドームスカート切断する(石川島重工) 10/ 10)ランプホトメーターについてタリューム放電管(5350.46Å) を 比較光として使用することの検討 11/ 11)ランプホトメーターの較正及び銀切スリットプリズム取付等に関する 検討 1951(S.26) 1/30 1)ランプホトメーターの実験を続ける 4/26 2)ガイド望遠鏡を取付ける 5/18 3)ドームのスリットに布カーテンを取付ける 8/ 9 4)リトロ分光器,ガイド望遠鏡,紅炎用連続撮影装置取付 (日本光学工業) 8/25~9/23 5)コロナ5303Å輝線の光電測光実験 8/27 6)ドームスリット・スカート部防雪板の改造 10/ 4 7)運転時計の取替 その他 1)偏心修正装置の設計 2)分光器によるホトメトリー(グレーティング31/16×31/16 inch) 3)カラーフィルムによる輝線の撮影 4)プロミネンスの連続撮影機による撮影 5)光電管による散光の測定 6)5303Åのコロナ輝線強度の観測(スリット巾による測光)(80日) 1952(S.27) 4/ 1)タリュームランプの点灯実験 4/21 2)偏心修正装置の取付及テスト 3)分光器でコロナ5303Å輝線の光電池感度実験 4)遮光円板と光球のサイズ測定 5)像回転プリズムの偏心量の測定 6)直視分光器のポジションアングルのゼロポイントの決定 7)タリュームランプホトメーターによる測定と写真撮影による 5303Å輝線の強度比較 8)5303Åのコロナ輝線強度の観測(スリット巾による測光)(83日) 1953(S.28) 1/ 1)タリュームランプによる測光 1/ 4 2)空の偏光測定のテストを行う 5/ 3)タリュームランプホトメーターによる観測開始 7/ 4)新グレーティング入る 10/22 5)コロナグラフの極軸(高度角)の修正を行う 6)直視分光器による5303Åのコロナ輝線強度の実測観測(61日) 1954(S.29) 1)タリュームランプの輝度安定度のテスト 2)グレ-ティング分光器にてプロミネンスの各輝線の撮影 3)1954年 3月ビキニ環礁における原子爆弾の爆発実験によると思われる 浮遊塵が大気上空でただよい太陽光が回折されて生ずるビショップリ ングを撮影 4)コロナ5303Åの偏光観測の予備実験 5)直視分光器による5303Åのコロナ輝線強度の実視観測(92日) 1955(S.30) 2/ 1)分光器のプリズム交換と光軸合せ 6/11 2)リオフィルターによる5303Åコロナ輝線の撮影装置の組立調整,撮影 7/22~8/15 3)紅炎早取撮影装置取付調整(日本光学工業) 4)グレ-ティング分光器による各種感光材料の露光テスト 5)グレ-ティング分光器による光電測光のテスト 6)グレ-ティング分光器で曲線スリットを使用しコロナ5303Å輝線を全 周にわたって撮影 7)直視分光器による5303Åのコロナ輝線強度の実視観測(86日) 1956(S.31) ◎ I.G.Y.予備観測年 1/ 1)太陽周縁からの距離とコロナ5303Å輝線強度との関係について の観測 4/ 2)光電測光の自記装置のテスト 光電測光とランプホトメーターとの比較 4/16 3)京都大学との散光の共同観測 5/ 4)散光の写真測光 7/29 5)干渉フィルターの透過波長テスト(光軸との傾きによる波長変化) 9/ 6)紅炎早取装置リオフィルターのHα線合せ(温度コントロール) 9/28 7)コロナグラフ接眼部の改造(日本光学工業) 10/15 8)長焦点による白斑の直接撮影(紅炎早取観測室・日江井) 11/10 9)鈴蘭連絡所の開所式 10)直視分光器による5303Åのコロナ輝線強度の実視観測(92日) 1957(S.32) ◎ I.G.Y.国際地球観測年(1957/Jul.-1958) 1/ 1)コロナの光球周縁からの逓減率についての測定 5/ 2 2)タリュームランプの輝度変化に依る観測への影響についての実験 5/31 3)紅炎観測室ギャラリー着氷によって破損 9/ 9 4)ドーム融氷装置の取付 5)ベアード社製Hα単色フィルター(波長巾1.2Å)紅炎早取写真装置に よる連続自動追尾観測(太陽像の大きさ12mm,24mm,48mm の可変結像・ 35mmフィルム使用) 6)直視分光器による5303Åのコロナ輝線強度の実視観測(83日) 1958(S.33) ◎ I.G.Y.国際地球観測年 ◎ Oct.2 スワロフ島(南太平洋)皆既日食(日江井) 1)ベアード社製Hα単色フィルターのゴースト除去の調整 ドーム融氷装置のテスト 2)直視分光器によるコロナの観測日数(72日) 3)リオフィルターによる写真観測日数(10日) 4)紅炎早取撮影装置による連続写真観測(25日) 1959(S.34) ◎ I.G.C.国際地球協同観測年 1)直視分光器によるコロナの観測日数(95日) 2)リオフィルターによる写真観測(23日) 3)紅炎早取撮影装置による連続写真観測(30日) 8/ ~10/ 4)流星塵の観測協力(科学博物館・村山) 9/24 5)開所10周年事業として記念シンポジューム 9/25 6) 〃 記念式(乗鞍・銀嶺荘) 10/ 8~11 7)コロナグラフ及紅炎早取撮影装置の調整(日本光学工業) 1960(S.35) ◎ 所長 長沢(4月1日付) ◎ I.G.C.国際地球協同観測 1)直視分光器による5303Åコロナ輝線の実視観測(79日) 2)リオフィルターによる写真観測(24日) 3)紅炎の連続写真観測(35日) 4)コロナグラフガイドを手動から電動にする 5)コロナ偏光用対物レンズ(口径11cm・焦点距離4m)金枠付購入 6)リオフィルターの修理 2/ 6 7)リオフィルター及取付ベット修理に下す 7/28 8)リオフィルター及ベッドをコロナグラフに取付ける(日本光学工業) 9/13 9)分光器取外す 1961(S.36) ◎ K-コロナメーター取設(日本光学製) 1)直視分光器による実視観測(40日) (コロナグラフ改造のため7月~9月休止) 2)リオフィルターによる写真観測 3)紅炎の連続写真観測 4)直視分光器の修理 5)コロナグラフ用フィルター枠製作(三鷹光器) 6)リオフィルターの修理 その他 5/10 1)リオフィルター撮影装置オーバーホールのため取外す 7/20~8/2 2)コロナグラフフォーク取替,K-コロナメーター据付(日本光学工業) 9/ 3)分光器をコロナグラフに取付ける,リオフィルターによる撮影装置取付 9/18 4)K-コロナメーター取付終了 10/12 5)コロナグラフ,K-コロナメーター,分光器等の調整ほぼ終る 1962(S.37) ◎ Feb.5 ニューギニア日食(日江井・平山) 1)コロナグラフの修理(赤緯軸にベアリングを入れ手動に大ハンドルを 取付) 2)紅炎早取装置用シーロスタット反射面修理 3)直視分光器回転部修理 4)コロナグラフ対物レンズ研磨 5)直視分光器によるコロナ5303Åの実視観測日数(74日) その他 1/ 1)リオフィルターによるコロナ撮影装置のゴースト除去についての実験 4/13 2)太陽高度(コロナグラフの傾き)と直視分光器のゼロポイントとの 関係は変らない 6/ 3)ファブリペロー(Fabry-Perot) の干渉計とグレーティングを併用の 分光器を紅炎用望遠鏡を利用してプロミネンスの連続スペクトルを 撮影する 9/ 4)コロナグラフ対物レンズ交換 合焦テスト他 オッカルティングディスク新調する(日本光学工業) 1963(S.38) 3/ 1)リオフィルターによる5303Å輝線の光電測光の結果と眼視測光 との比較 5/ 2)コロナグラフ鏡筒や直視分光器のたわみから生じる光軸ずれ (偏心量)を時角を変えながら測定 7/ 3)コロナグラフの新しいオッカルティングについての測定 リオフィルターによるコロナの撮影諸元の検討 10/3~6 4)コロナグラフの調整修理(光軸,絞板,その他) K-コロナメーター調整(日本光学工業) 5)直視分光器によるコロナ5303Åの実視観測日数(64日) 6)K-コロナメーターによってK-コロナの観測が行われ空及び鏡筒内 の散光で起きる偏光を取除く方法を検討し信頼すべき観測データーを 得ることに成功した 1964(S.39) ◎ 施設長 長沢(4月1日付) ◎ I.Q.S.Y.太陽活動極小期国際観測年(1964~65) 1)直視分光器によるコロナ5303Åの実視観測(58日) 2)リオフィルター撮影装置のゴースト除去のため改造を行い細部調整 3)K-コロナメーターによるK-コロナの観測は実験段階を終り14日観 測データーが得られた その他 6/ 1)K-コロナメーターの調整 6/ 2)リオフィルター撮影装置改造のため東京へ持ち帰る 8/24~28 3)コロナグラフの調整:対物枠のストッパー取付及びカメラレンズ前の 絞りとゴーストストッパーの取付工事(日本光学工業) 1965(S.40) ◎ I.Q.S.Y.太陽活動極小期国際観測年 ◎ Oct.21 池谷-関彗星近日点通過観測に成功 1)直視分光器によるコロナ5303Åの実視観測(75日) 2)K-コロナメーターによる偏光観測(14日) 3)リオフィルターによるコロナの撮影はゴーストを殆ど除去することが でき5303Åと6374Åのコロナ像を得るよう調整中である その他 7/ 1)シーイングのテスト(クエスターで直視) 7/19 2)リオフィルター撮影装置をコロナグラフに取付ける 8/ 3)紅炎早取撮影装置分解整備 10/ 3 4)ドーム駆動ギヤー新品と交換 1966(S.41) ◎ Nov.12 ペルー日食観測(日江井・平山) 1)直視分光器による5303Åの実視観測(99日) 2)K-コロナメーターによる偏光観測(14日) 3)25cmクーデ型コロナグラフ計画打合せ(3回) 4)コロナグラフ対物レンズ研磨 その他 6/18 1)夜天光の観測(中村 強) 7/1~11 2)コロナグラフ極軸調整及架台分解整備(日本光学工業) 8/19 3)ドーム電動駆動装置取付 1967(S.42) 1)直視分光器による実視観測(108日) 2)直視分光器による緑色・黄色(CaXV5694Å)コロナ輝線の写真観測開始 3)25cmクーデ型コロナグラフ計画打合せ(6回)光学系・架台 4)コロナグラフ対物レンズ研磨 その他 9/10 タリュームランプ用定電圧装置取設 1968(S.43) ◎ 25cmクーデ型コロナグラフ計画(第一年次) 1)直視分光器による実視観測(116日) 2)K-コロナメーターによるシベリア日食時に合せての偏光観測(6日) 3)低分散分光器による観測(17日) 4)複屈折干渉フィルター(5303Å)によるコロナの観測(16日)紅炎の観 測(32日) 5)25cmクーデ型コロナグラフ計画打合せ(11回) 光学系・(合成焦点8.8mと決定)・制御系・配置等について 6)タリュームランプ30本購入 7)K-コロナメーター 一部改造 その他 2/ 1)コロナグラフの精度について測定(岡本) 4/19 2)新設予定ドームの位置の測量と検討 7/29 3)紅炎早取撮影装置の分解と梱包及陸送(天文台・丸通) 1969(S.44) ◎ 25cmクーデ型コロナグラフ計画(第二年次) ◎ I.A.S.Y.太陽活動期国際観測年(1969~71) 1)緑色コロナ輝線の実視観測(105日) 2)低分散分光器のコロナ輝線の分光写真観測(17日) 3)薄膜干渉フィルターによるプロミネンス単色像の写真観測(70日) 4)25cmクーデ型コロナグラフ計画打合せ(11回) (電気系,前光学系,制御装置,分光器細部) 5)コロナグラフ対物レンズ研磨 6)リオフィルター修理(No.ろ-り-38) その他 8/23 1)チューブセンシートメーター完成 9/10 2)ドーム電動駆動ギヤーボックス取替 1970(S.45) ◎ 施設長 守山(4月1日付) ◎ 25cmクーデ型コロナグラフ計画(第三年次) 1)緑色コロナ輝線の実視観測(82日) 2)直視分光器修理により6/18~9/22まで観測中止 3)薄膜干渉フィルターによる紅炎の単色像写真観測(72日) 4)低分散分光器によるコロナ・紅炎の分光写真観測( 3日) 5)K-コロナメーターによる偏光観測( 6日) 6)25cmクーデ型コロナグラフ計画打合せ(9回) (分光器細部,据付日程,ベースプレート取付) その他 5/4~7 1)光電ガイド アンプ組立 1971(S.46) ◎ 25cmクーデ型コロナグラフ計画(第四年次) 1)25cmクーデ型コロナグラフ計画打合せ(5回) 2)現地据付打合せ及据付後の検討 3)緑色コロナ輝線の実視観測(94日) 4)薄膜干渉フィルターによる紅炎の単色像写真観測(90日) 5)低分散分光器によるコロナ,紅炎の分光写真観測(10日) その他 8/18 1)25cmクーデ型コロナグラフ搬入組立調整(日本光学工業) 9/17 2)分光器 恒温槽(箱)組立(イトーキ) 1972(S.47) ◎ MONSEE 太陽地球環境国際定常観測(1972~1975) 1)緑色コロナ輝線の実視観測(110日) 2)薄膜干渉フィルターによる紅炎の単色像写真観測(91日) 3)低分散分光器によるコロナ,紅炎の分光写真観測( 3日) その他 5/17~22 1)25cmクーデ型コロナグラフ全面調整(日本光学工業) 7/28 2)25cmクーデ型コロナグラフ披露式 8/19~24 3)25cmクーデ型コロナグラフ各部調整(日本光学工業) 10/16~21 4) 同 上 部分調整( 〃 ) 1973(S.48) ◎ Jun.30 セネガル・モーリタニア日食(守山・日江井・徳家・宮崎) 1)緑色コロナ輝線の実視観測(116日) 2)薄膜干渉フィルターによる紅炎の単色像の写真観測(74日) 3)コロナの偏光観測が( 4日) 4)格子分光器,エッシェル分光器を用いた分光観測(50日) 各種スペクトル写真(1800コマ)単色像写真(2000枚) その他 7/13 1)25cmドーム用 テーブルリフター入る 8/13~15 2)12m ドーム・スリット,ブラインド修理(三井造船) 9/4~23 3)25cmクーデ型コロナグラフ部分調整(日本光学工業) 10/3~10 4) 同 上 ( 〃 ) 1974(S.49) 1)5303Åコロナ緑色輝線の実視観測(94日) 2)狭帯域干渉フィルター(中心波長6563Å,透過巾5Å)による紅炎の 単色像写真撮影(51日) 3)太陽上層大気の分光写真観測(70日) a)高次バルマー領域における彩層活動領域の観測 b)Hα,H及びK線によるスピキュールの観測 c)5303Å輝線によるコロナ活動領域の観測 d)He及び高次バルマー輝線による紅炎の観測 得られたスペクトル写真は 長焦点分光器 (3500コマ) エッシェル分光器 ( 60コマ) 短焦点分光器 ( 200コマ) 4)写真以外の検出方式として,フォトダイオード・アレイや高感度の SECカメラを利用する実験が行われ,赤外域HeI 輝線(10,830Å)に よる彩層・紅炎の観測や,彩層K線輪郭の連続録画等が試みられた その他 4/27~5/6 1)25cmクーデ型コロナグラフ調整(日本光学工業) 1975(S.50) 1)直視分光器による5303Å緑色輝線の実視観測(77日) 2)狭帯域干渉フィルターによる紅炎の単色写真撮影(14日) 3)分光観測は長焦点格子分光器を使用して太陽上層大気のスペクトル 観測(60日) a)彩層,スピキュール(Hα,H,K及び高次バルマー線) b)紅炎(He及び高次バルマー線) c)コロナ(5303Å) 得られたスペクトル写真は 長焦点分光器(3500コマ)短焦点分光器( 350コマ) 4)偏光写真観測:偏光計を装着し写真測光によって光球の偏光を検出す る試みがフランス・ムードン天文台のM.Semel等と共同で実施され た。 Semel氏は自身で考案した偏光計を持参して6月に予備的な実験 を行い,引続いて,10月 E.Ribes が観測を実施した 5)スペクトル光電測光に関する実験 6)光学クサビの濃度値の検定 その他 25cmクーデ型コロナグラフに対して光学的性能の向上のため対物レンズ 保持機構の改良及び制御系の補修とそれに伴う全光学系の再調整工事が 行われた 5/12~5/23, 7/1~8/4, 8/12~8/13(日本光学工業) 1976(S.51) ◎ I.M.S.国際磁気圏観測(1976~1979) ◎ Oct.23 オーストラリア皆既日食(守山・田中・宮崎) 1)コロナグラフ全系の分解能を向上させるため,日本光学と共同で 非球面レンズの開発を始めた(文部省科学研究費補助金・清水(一) 2)コロナ5303Åの比較光としてタリュームランプの5350Åの輝線を使用 していたが輝度の変動,入手の困難,高価等を考慮して太陽光球の光 を標準光源とするため光路導入方法としてオプティカラグラスファイ バーを利用する予備実験を始めた 3)直視分光器による5303Å緑色輝線の実視観測(75日) 4)狭帯域干渉フィルターによる紅炎Hα単色像写真撮影( 6日) 5)分光写真観測は長焦点格子分光器を使用して太陽上層大気のスペクト ル観測(50日) a)彩層,スピキュール(Hα,H,K及び高次バルマー線) b)紅炎(He線及び高次バルマー線) c)白斑(H,K,D及びMg-b) 得られたスペクトル写真(3500コマ) 6)偏光写真観測 セメル式偏光計による偏光写真観測を昨年に引続き実施した その他 25cmクーデ型コロナグラフの光学系保持機構の再調整及び制御系の改良 工事を行った 6/1~6/18, 8/6~8/10, 10/19~10/24(日本光学工業) 1977(S.52) 1)コロナグラフ用非球面対物レンズが完成し散乱光量,解像性能につい て検定を行った 2)赤外域(6300~9000)の分光写真観測のテストを行った 3)振動型チョッパーを用いた測定器によるスペクトル光電測光テストを 行った 4)高解像のHα単色写真観測テスト 5)短焦点分光器の合焦と位置の読み取りが主制御盤の近くで遠隔操作で きるようにした 6)スペクトル写真に対して1秒以下の露出が正確に行えるよう補助シャ ッターを取付けた 7)長焦点分光器の対物鏡を予備鏡と交換した 8)直視分光器による緑色コロナ輝線の実視観測(79日) 9)狭帯域干渉フィルターによる紅炎Hα単色像の写真観測( 4日) 10)格子分光器を使用して,太陽上層大気スペクトル観測(82日) a)彩層,スピキュール(Hα,H,K及び高次バルマー線) b)紅炎(He線,高次バルマー線及び全屈線) c)白斑(H,K,D及びMgb線) d)フレア(Hα,H,K及び高次バルマー線) 11)偏光写真観測 セメル式偏光計による黒点周辺,白斑,紅炎及び光球周縁部の偏光写 真観測を行った その他 ニコン750フィルムバック入る,Hα-リオフィルター修理 12cm対物レンズ研磨 1978(S.53) ◎ 日仏共同研究"Evolution of Solar Active Regions"に参加し 8月上旬及び10月上旬に活動域のスペクトル・Hα単色像・偏光スペクト ルを観測した 1)直視分光器による緑色コロナ輝線の実視観測(95日) 2)狭帯域干渉フィルターを使用して,紅炎及びコロナ単色像写真観測 (22日)。 中心波長Hα,D3,5303Å,6374Åの4種で透過巾は いずれも3Å 3)格子分光器を使用して黒点・白斑・フレア・彩層・スピキュール・ 紅炎等太陽大気のスペクトル観測(約80日) 4)高解像Hα単色像観測を行い彩層活動領域の多数の高解像写真を得た 5)光電測光観測を行い毎秒10Åの掃引速度でスペクトルの光電測光を安 定に実施できることを確かめた 6)セメル式偏光計を使用し波長5250~6563Åの領域で太陽活動領域及び 白斑域の円偏光・直線偏光のスペクトル写真観測を実施した 上記の観測で得られたスペクトル写真の総数(約5500コマ)単色像写真 (約18000コマ)三鷹において測定・整約が行われている その他 25cmコロナグラフ(附属の分光器を含む)の光学系・制御系の改良工事 が,日本光学の手によって行われた。 8/31~9/10,10/16~10/21 1)分光室の格子又はエッシェル分光器に切換える平面鏡の改造 2)MCカメラの撮影コマ数の増加250コマ→750コマ 3)コロナグラフ光電追尾及び遮光円板連動方法の変更 4)その他作動不良部分の修理 1979(S.54) ◎ Solar Maximum Year(SMY)の試験観測(5月)及び日仏国際共同研究 (5月及び10月)に参加して活動域のスペクトル観測を実施した。 1)直視分光器による緑色コロナ基線の実視観測(95日) 2)狭帯域干渉フィルターによる紅炎及びコロナ単色像写真観測(36日) 3)格子分光器を使用して,黒点・白斑・フレア・彩層・紅炎・コロナ等 のスペクトル観測(67日) 4)偏光写真観測を偏光計を用いて活動域・白斑域の円偏光・直線偏光の スペクトルを撮影した これ等の観測で得られたスペクトル写真の総数(約7700コマ),三鷹に おいて測定・整約が行われている その他 25cmコロナグラフの改良工事が日本光学工業の手で実施された 7/6~7/22 1)北ピア極軸に望遠鏡制御用ケーブルを通すための誘導金具の取付 2)単レンズ対物,光路折曲げ鏡(2枚)クーデ鏡(2枚)を予備品と交換 3)光学系の調整 1980(S.55) ◎ Feb.16 ケニア日食(平山・入江・熊谷) 1)直視分光器による緑色コロナ輝線の実視観測(90日) 2)Hα,D3,5303Å,6374Åの狭帯域干渉フィルターを用いて紅炎及び コロナの単色像写真観測(60日) 3)格子分光器を使用して黒点,白斑,フレア,彩層,紅炎,コロナ等の スペクトル観測(71日) 4)偏光分光観測を偏光計を用いて活動域及び白斑域の円偏光・直線偏光 のスペクトル写真観測(10日) 以上の観測で得られたスペクトル写真の総数(6100コマ),三鷹におい て測定,整約が実施されている 5)高解像Hα単色像写真観測(25日) その他 1)25cmコロナグラフ分光器のシャッターを改良し高速露出時における精 度を向上させた 2)5mドームスリット上部ゴムパッキン取替二重構造とする 1981(S.56) 1)直視分光器による緑色コロナ輝線の実視観測に用いる標準光をタリュ ームランプに変えてファイバースコープによる太陽光球光を標準にす るようにした(4/7) 2)同上方法による実視観測(91日) 3)狭帯域干渉フィルターによる紅炎,コロナの単色像写真観測(56日) 本年は特に紅炎及びコロナの時間的な変動に注目して撮影を実施した 単色像(5120コマ) 4)格子分光器を使用して太陽面諸現象のスペクトル観測(66日) 5)スペクトルヘリオグラフを試作し分光器の入射スリットを太陽像上走 査しながら特定の波長域のスペクトルを自動的に撮影できるようにし た 6)偏光分光観測は方解石を用いた新しいセメル式偏光計を製作し黒点域 及び活動領域の円偏光スペクトル観測を行った 以上の観測で得られたスペクトル写真の総数(6700コマ) 7)高解像Hα単色像写真観測(25日) 1982(S.57) ◎ 施設長 日江井(4月1日付) 1)直視分光器による5303Åのコロナ輝線強度の実視観測(103日) 2)狭帯域干渉フィルターによる紅炎・コロナの単色像写真観測(72日) 単色像(6840コマ)。 特に6月12日のリムフレアに伴うコロナの変動は ”ひのとり”による同時観測のデータと比較研究されている 3)格子分光器を使用してコロナ及び太陽面諸現象の写真観測(80日) スペクトル写真(6037コマ) 4)偏光分光観測はセメル式偏光計と高分散の回折格子を組合せて活動域 の偏光スペクトル写真を得た 5)高解像Hα単色像写真観測(11日)特に9月4日のフレアはその全過程 が撮影できた その他 1)高分散スペクトルの観測を目的として現在使用している回折格子に加 えてボシュ&ロム製の大型回折格子(400X200mm,632本/mm,ブレ-ズ角 57゜,分散は5次で0.3Å/mm)を,同一回転台上に背中合せに設置し たC回転角表示装置等の改良工事が(7/16~7/25) 日本光学によって行われた 2)25cmコロナグラフ制御ケーブルの交換 3)25cmコロナグラフシングレットの対物交換(日本光学工業) 4)同対物レンズの停止精度の向上(日本光学工業) 1983(S.58) ◎ Jun.11 インドネシア皆既日食観測(日江井・清水(保)・宮崎・今井) 1)直視分光器による5303Åのコロナ輝線強度の実視観測(103日) 2)狭帯域干渉フィルターを用いて,5303Åと6374Åのコロナ単色像及び HαとD3の紅炎単色像の写真観測(99日) 3)格子分光器を使用してコロナ及び太陽面諸現象の写真観測(28日) スペクトル写真(約2000コマ) 4)太陽面の二次元的分光観測を目的とした装置とセメル式偏光計とを組 合せて偏光分光観測(12日)又スペクトロ・ヘリオグラフとして太陽 単色像(Hα,Hβ,Hγ,CaIIH線)のテスト撮影(17日) 5)高解像Hα単色像写真観測(36日) その他 12mドームのスリット駆動関係全般の工事が9/2~9/14に行われた (三井造船株式会社) 1984(S.59) 1)直視分光器による5303Åのコロナ輝線強度の実視観測(100日) 2)狭帯域干渉フィルターを用いて5303Åと6374Åのコロナ単色像及び Hα,D3の紅炎単色像の写真観測(86日) 3)格子分光器を使用してコロナ及び太陽面諸現象の写真観測(72日) スペクトル写真(約5000コマ) 4)セメル式偏光計と高分散の回折格子とを組合せて活動領域の偏光分光 観測を実施した 5)高解像Hα単色像写真観測(21日) 6)6/15~6/16,太陽による金星食の観測を行った その他 1)三鷹20cm赤道儀にて白色フレアの写真観測ができた(4月25日) 2)高分散スペクトル観測用の大型回折格子設置に関しての改良工事が行 われた7/16~7/22,8/1~8/4(日本光学工業) 1985(S.60) 1)直視分光器による5303Åのコロナ輝線強度の実視観測(76日) 2)狭帯域干渉フィルターを用いて5303Åのコロナ単色像及びHαとD3 の紅炎単色像の写真観測(60日)(約2200コマ) 3)格子分光器を使用してコロナ及び太陽面諸現象の写真観測( 8日) (約800コマ) 4)太陽面現象をHα干渉フィルター(0.5Å)を通してテレビカメラで撮像 し録画する装置が開発され9/25~9/27日立電子KKにより取付られた (太陽面監視装置) 5)大型回折格子の設置にともない観測波長を選択するための各種フィル ターを電動交換する装置をスリット部に取付けた その他 1)望遠鏡,分光器の光軸調整,焦点距離調整,反射鏡調整等の光学調整 を行った。 7/23~7/24,9/9~9/13(日本光学工業) 2)25cmコロナグラフ及び分光室架台整備が行われた 7月~9月(鴻池組) 3)ドームペンキ塗装を行った(総和土建) 4)これらの工事のため夏季の観測時間が極端に制限された 1986(S.61) 1)直視分光器による5303Åのコロナ輝線強度の実視観測(87日,91回) 2)狭帯域干渉フィルタ-を用いて5303Å,6374Åのコロナ単色像及びHα とD3の紅炎単色像の写真観測 (57日) 3)10cmコロナグラフの時計駆動が7月10日錘り式からモ-タ-式に取り替 えると共に自動追尾装置の精度向上のための改良を行った 4)25cmコロナグラフでは格子分光器を使用してコロナ及び太陽面諸現象 の写真観測 (55日,約6000駒) 5)8月11日-23日,9月23日-10月5日 北京師範大学 Du Jin-shengがコロナ 及びスピキュ-ルを観測した その他 1)ハレ-彗星の接近により反射望遠鏡(D=16cm f=776cm)を仮設し,1985 年8月16日より1986年5月12日まで延31日間観測を行った 2)12mド-ムのスリット上部の駆動シャフトの中間軸受の取付け,及び 調整を行った(三井造船kk) 1987(S.62) 1)5303Åのコロナ輝線強度の実視観測が(96日,102回) 2)透過巾が何れも3Åの干渉フィルタ-を用いて,5303Å,6374Åのコロナ の単色像及びHαとD3のプロミネンス単色像の写真観測が77日行われ れた(約3000駒) 3)25cmコロナグラフでは格子分光器を使用してコロナ及び太陽面諸現象 象の分光観測が50日,スペクトル写真は13日(約300駒) 4)固体撮像素子による受像実験が進められ,CCDカメラ及び冷却装置が完 成し(文部省科学研究費一般A),本年はCCDカメラを長焦点分光器に 据えつけ調整が実施された 5)CCDカメラによってHe 10830Å,FeXIV 5303Å,FeI 5576Å,Fe 6303Å 及びCaIIK 3934Å等のスペクトル観測を37日行い光ディスクに800M のデ-タが収録された 6)Hαによる太陽面監視装置での観測が25cmコロナグラフと共に行われ 活動領域の様子が20本(合計2400分)のテ-プに収録された その他 1)5月7日-8日に水星の太陽背面通過現象の観測を行った 2)10月17日未明に台風19号の突風による影響で分光器室の屋根が240㎡ が剥離し復旧工事を行い11月10日完了した 3)1988年3月18日小笠原の南方海上を通る皆既日食に際し,日食観測船 ”にっぽん丸”船上にて D=16cm f=78cmの反射望遠鏡等を使い太陽 コロナの微細構造を撮影,またビデオカメラではコロナの連続観測を 行った(日江井,深津,福島,佐野)