国立天文台・乗鞍コロナ観測所 共同利用観測報告書 利用者氏名   :川上 新吾        所属  :文部科学省         :當村 一朗            :大阪府立工業高専 観測テーマ:液晶ポラリメータによる光球−彩層磁場の同時観測 利用期間:2005年10月14日 〜 10月16日 (観測実施日数 1日) 旅費の出所: ■ 国立天文台共同利用旅費   □ 国立天文台関係の科学研究費        □ 利用者自身の負担      □ 観測所職員旅費 使用機器: ■ 25cmコロナグラフ ■ G1焦点 □ G2焦点 □ 直接像 ■ CCD ■ ポラリメータ ■ 計算機 □ その他(持ち込み機器など) 観測の目的、方法、今後の解析方針を簡単に記して下さい。  活動領域に進化に伴って,光球から彩層にかけてのベクトル磁場がどのように 変化し,それがアクティビティとどう関係するのかを明らかにすべく,それぞれの 高さで形成されるラインを用いたポラリメータ観測を実施してきている。  今回は液晶リターダの交換が行われたポラリメータの動作状況を確認するための テストも兼ねて観測を行った。東のリム近くに出現した黒点(NOAA10815)をターゲット にした。ラインはFeI630.3nmとMgI517.3nmで実施したが,Mgについては来雲のため同定 がうまくいかずデータが得られなかった。  FeI630.3nmについては,来雲が多く空の状態が安定しなかったために,偏光セット を取得中にも光量が変化し,定量的な評価を行えるだけのデータを得ることができな かったが,撮像した結果を見る限りはストークスプロファイルは予測どおりの形が 出ているように見受けられた。前年に見られたリターダによると考えられる偽シグナル は見あたらないようであった。  今後,ポラリメータの動作を注意深く検証しながら,観測を継続していく予定で ある。 今後も同一テーマで当観測所を利用する予定がありますか?  ○ある   ない 観測所に対する意見、希望など:  飛び込みの観測であったにもかかわらず,観測所スタッフの皆様には懇切丁寧に 対応していただき感謝しています。  いよいよSolar-Bの打ち上げが近づき,高精度の偏光データが得られる時代が来 ますが,手の届くところに観測装置があるという地上観測のメリットは決して 失われることはありません。乗鞍でも引き続きデータ精度の向上と機器の安定運用に ご尽力いただければと思っております。  これからもよろしくお願いいたします。