国立天文台・乗鞍コロナ観測所 共同利用観測報告書 利用者氏名   : 川上 新吾     所属  : 文部科学省初等中等教育局         : 當村 一朗         : 大阪府立工業高等専門学校         :               : 観測テーマ: 液晶ポラリメータによる太陽光球と彩層上部の同時偏光観測 利用期間:2004年 9月27日 〜 10月 6日 (観測実施日数 5日) 旅費の出所:■ 国立天文台共同利用旅費 □ 国立天文台関係の科学研究費       □ 利用者自身の負担    □ 観測所職員旅費(国立天文台職員の場合) 使用機器: ■ 25cmコロナグラフ   ■ G1焦点     □ G2焦点       □ 直接像       ■ CCD       ■ ポラリメータ       ■ 計算機       □ その他(持ち込み機器など) 観測の目的、方法、今後の解析方針を簡単に記して下さい。 観測の目的:  太陽光球〜彩層の同時偏光観測により,磁場・速度場の高さ方向の変化を解明する 観測の方法:  彩層上部で形成される HeI 10830 線と,光球で形成される SiI 10827 線で,  2波長同時偏光観測を行なうことにより,光球および彩層上部における磁場や速度  場の変化を立体的に調べる.   観測ターゲットは,昨年までに引き続いて活動領域を中心とするが,可能な限り  静穏領域やプロミネンスも観測し,それぞれの領域における典型的ストークスプロ  ファイルはそもそもどのようなものであるのか(あるいは典型的なストークスプロ  ファイルというものはないのか?)についても調べる. 今後の解析方針:  今回は,期間の前半でポラリメータ検定のためのテスト観測を中心に行ない,後半  に,活動領域活動領域(黒点および周辺の明るい領域を含む)のスキャン観測およ  びプロミネンスを,分光器スリットを太陽にたいして固定して長時間連続観測する  ことで,典型的なストークスプロファイルを調べるための偏光データを蓄積した.   検定用データについては,すでに川上が初期解析を始めており,今後はさらに詳  しく解析して,液晶ポラリメータの検定を進める予定である.活動領域やプロミネ  ンスのデータの解析にあたっては,観測対象自体の時間変化を考慮に入れながら,  それぞれの領域における典型的なストークスプロファイルを調べるとともに,当初  の観測目的である磁場と速度場の関係についても調べる予定である. 今後も同一テーマで当観測所を利用する予定がありますか?   ある 観測所に対する意見、希望など: 観測所の皆様には今回もたいへんお世話になり,厚く御礼申し上げます. SOLARーBの打上げも間近に迫り,太陽物理学における高精度地上偏光観測の 重要性がいよいよ増して来ていると思います.今後とも,ぜひ貴観測所を維持され, 末長く共同利用に供していただきますようお願い申し上げます.