国立天文台・乗鞍コロナ観測所 共同利用観測報告書 利用者氏名 :鈴木 大輔      所属:川口市立科学館 :日江井 榮二郎      :国立天文台名誉教授 :飯塚 康至        :国立天文台 観測テーマ:「He10830Åのスペクトロへリオグラフによる活動現象の観測的研究」 利用期間:2004年7月25日〜7月31日(観測実施日数2日) 旅費の出所:■ 国立天文台共同利用旅費 □ 国立天文台関係の科学研究費       ■ 利用者自身の負担    ■ 観測所職員旅費(国立天文台職員の場合) 使用機器: ■ 25cmコロナグラフ  ■ G1焦点 □ G2焦点       □ 直接像       ■ CCD       □ ポラリメータ       □ 計算機       □ その他(持ち込み機器など) 観測の目的、方法、今後の解析方針を簡単に記して下さい。 目的: 前年度の観測に引き続きHe10830Å線における太陽フレア現象の観測を行う。 特にフレア時に起こる一時的な吸収の増加と輝線への変化を、観測的に研究 することを主眼とする。コロナ下部を地上から観測する手段としては、 10830Åの観測は殆ど唯一であると言ってもよい。太陽彩層の現象、フレア、 プロミネンスの突然消滅、dimmingと言った現象においてどのようなふるまいを 見せるのか、また吸収線から輝線への変化はフレア時に物質の集まりが高温化 すると言うシナリオで考えられるのかや、これらの動的な物理量を観測目的とする。 方法: 25cmコロナグラフ、分光器を用い、スペクトルへリオグラフとして観測を行う。 10830Åのスペクトル情報、ならびにHαでの現象をイメージでモニターする。 解析方針: 本年の観測では、フレア時・活動領域・プロミネンスのスペクトルデータが 得られた。ラスタースキャンの不調により、時間変化の解析は難しいと思われるが、 He10830Å線の強度変化やプロファイルの変動を調べる事は出来る。 前年度得られたHe10830Å線における太陽フレア現象を含めた解析をする。 同時に同領域で得られている紫金山天文台のスペクトルデータとの比較も行う。 観測結果: 2004年7月25日〜7月31日の観測期間のうち、7月27日、7月28日2日間観測が実行 出来た。得られたデータのうち、7月27日08:54にAR652でフレア(M1.4)を解析 した結果、フレアを包む吸収領域の存在が確認された。 研究報告: 2004年2月1日、国立天文台太陽観測所および京都大学大学院・理・附属天文台の合同 のユーザーズミーティング「太陽地上光学観測の新展開2005」における口頭発表 今後も同一テーマで当観測所を利用する予定がありますか? ある 観測所に対する意見、希望など: 観測用のCCDコントロールPCの調子が悪く、観測が中断されることが多かった。 安定動作する測定系への変更を希望します。 10830ÅとHαなど、多波長での観測が可能な測定系の設置を希望します。