国立天文台・乗鞍コロナ観測所 共同利用観測報告書 利用者氏名 :川上 新吾       所属 :大阪市立科学館 : : : : 観測テーマ:液晶ポラリメータによる太陽活動現象のHe10830偏光観測 利用期間:2003年 9月22日 〜  9月27日 (観測実施日数 2日) 旅費の出所: ■ 国立天文台共同利用旅費   □ 国立天文台関係の科学研究費         □ 利用者自身の負担      □ 観測所職員旅費(国立天文台職員の場合) 使用機器:   ■ 25cmコロナグラフ    □ G1焦点   □ G2焦点         □ 直接像         ■ CCD         ■ ポラリメータ         ■ 計算機         □ その他(持ち込み機器など) 観測の目的、方法、今後の解析方針を簡単に記して下さい。  ヘリウム10830ラインは主にコロナからのバックラディエイションで形成され、 彩層上部の物理状態を表わしていると考えられている。したがって、このラインの偏光 観測によって、太陽のさまざまな活動現象に際して、彩層上部における磁場がどのよう な構造・振る舞いをしているかを明らかにすることができる。  昨年の観測では、8月22日に発生した2Bフレアの偏光データを取得することができ たが、引き続き活動領域をターゲットにフレアやフィラメントの偏光データを得ること を目的としたい。ディスクでの観測と併せて、リム(付近)でのプロミネンスや活動領域 に伴うループ等についてもターゲットとする。  観測は9月26日と27日に行うことができた。26日には主に活動領域を、27日はプロミ ネンスをターゲットに観測した。このうち、プロミネンスについてはアクティブなもの があり、ヘリウムではかなり高いところからエミッションが見えていることがわかった。 偏光の解析についてはこれからであるが、プロミネンスの磁場構造やヘリウムの発光機 構について新たな知見が得られることを期待している。活動領域の解析についても今後 実施していく予定である。 今後も同一テーマで当観測所を利用する予定がありますか?  ある 観測所に対する意見、希望など:  年に1度の訪問なのでなかなか装置に習熟することができませんが、スタッフのお力 添えと適切なアドバイスのおかげで、よいデータを取ることができ感謝しています。次 は早く結果を形あるものにしてお返ししなければ、、、と思っております。