国立天文台・乗鞍コロナ観測所 共同利用観測報告書 利用者氏名 :鈴木 大輔 所属 :川口市立科学館 :日江井 榮二郎 :国立天文台名誉教授 観測テーマ: He10830Åのスペクトロヘリオグラフによる活動現象の観測的研究 利用期間:2003年7月28日〜8月2日 (観測実施日数3日) 旅費の出所: □ 国立天文台共同利用旅費 □ 国立天文台関係の科学研究費         ■ 利用者自身の負担     □ 観測所職員旅費(国立天文台職員の場合) 使用機器:   ■ 25cmコロナグラフ   ■ G1焦点   □ G2焦点         □ 直接像         ■ CCD         □ ポラリメータ         □ 計算機         □ その他(持ち込み機器など) 目的: 前年度の観測に引き続きHe10830Å線における太陽フレア現象の観測を行う。特に フレア時に起こる一時的な吸収の増加と輝線への変化を、観測的に研究すること を主眼とする。コロナ下部を地上から観測する手段としては、10830Åの観測は殆ど 唯一であると言ってもよい。太陽彩層の現象、フレア、プロミネンスの突然消滅、 dimmingと言った現象においてどのようなふるまいを見せるのか、また吸収線から 輝線への変化はフレア時に物質の集まりが高温化すると言うシナリオで考えられるのか や、これらの動的な物理量を観測目的とする。 方法: 25cmコロナグラフ、分光器を用い、スペクトルへリオグラフとして観測を行う。 10830Åのスペクトル情報、ならびにHαでの現象をイメージでモニターする。 解析方針: 今回の観測では、ある程度まとまったスペクトルデータが得られたため、一連の 時間変化に伴う定量的な解析が可能であると考えている。特にフレアに着目し、 現象の発生前後における線変化を追う。また、今回得られた観測データと他の観測所の ものとを比較する事を検討している。 観測結果: 2003年7月28日〜8月2日の観測期間のうち、7月31日、8月1日、2日の3日間観測が 実行出来た。得られたデータのうち、7月31日20:53(UT)にAR424でフレアを観測した。 同領域は中国紫金山天文台でも観測しており、両観測所のデータの比較を行うことを 予定している。 研究報告: "UNUSUALLY BROADENED SPECTRAL PROFILES OBSERVED IN SOLAR PROMINENCE" Hui Li,Jianqi and Eijiro Hiei,2003,ChJAA