国立天文台・乗鞍コロナ観測所 共同利用観測報告書 利用者氏名 : 内山明博          所属 :気象庁気象研究所 : 山崎明宏 :  同上 : 戸川裕樹 :  同上 : 浅野準一 :  同上 観測テーマ: 分光直達日射計の検定 利用期間:2002年  8月27日 〜 10月17日 (観測実施日数78日) 旅費の出所: ■ 国立天文台共同利用旅費 □ 国立天文台関係の科学研究費 ■ 利用者自身の負担 □ 観測所職員旅費(国立天文台職員の場合) 使用機器: □ 25cmコロナグラフ □ G1焦点 □ G 2焦点 □ 直接像 □ CCD □ ポラリメータ □ 計算機 ■ その他(持ち込み機器など) 観測の目的、方法、今後の解析方針を簡単に記して下さい。   直達分光日射計の検定を行うために、晴天日に太陽直達光の分光観測を行う。検定は、大気が安定している晴天日に、大気路程が違う状態で太陽直達光を測定し、データ取得する。取得されたデータから大気圏外の太陽入射エネルギーが入力した時に対応する日射計の出力を外挿する事によって推定し、検定定数(機械定数)を決定する。このような方法により、直達日射計を検定するには、大気が清澄で且つ変化が小さい場所で行う必要がある。このため大気境界層の上である高度3000m級の高山で行う。   観測期間中に得られたデータの内から検定に使えるデータを選び出し、直達分光日射計の大気の窓の波長域で検定を行った。その結果、2種類の直達分光日射計のうちGER-2600は、2001年8月と比較して、わずかに劣化しているが非常に安定している(可視域で0.2%、近赤外域で0.3%の差)ことが分かった。PGS-100の方は、検定定数自身がばらついていることもあり、経年変化については明確には分からなかった。検定用のデータからエアロゾルの情報も得られるので、今後は、検定のみならず、対流圏上層のエアロゾルの特性解析にデータを利用したい。   今回は、長期間おいて連続観測できるかどうかのテストも行ったが、雷の接近や保守で電源が遮断後の測器の状況を十分に把握できなかった。携帯電話が使用可能であるので、今後は電話を利用したリモート監視、リモートコントロールを考えたい。 今後も同一テーマで当観測所を利用する予定がありますか?   ある   ない 観測所に対する意見、希望など:   検定以外に上部対流圏のエアロゾル特性の実態把握にも使うために、できるだけ長期間の連続観測を希望します。