国立天文台・乗鞍コロナ観測所 共同利用観測報告書



利用者氏名   :當村 一朗      所属  :大阪府立工業高等専門学校
        :川上 新吾          :大阪市立科学館
        :               :



観測テーマ:乗鞍~飛騨マグネトグラフ共同観測



利用期間:2002年 8月19日 ~  8月30日 (観測実施日数 8日)



旅費の出所:  ■ 国立天文台共同利用旅費    □ 国立天文台関係の科学研究費
        □ 利用者自身の負担       □ 観測所職員旅費(国立天文台職員の場合)



使用機器:   ■ 25cmコロナグラフ     ■ G1焦点       □G2焦点
        □ 直接像
        ■ CCD
        ■ ポラリメータ
        ■ 計算機
        □ その他(持ち込み機器など)



観測の目的、方法、今後の解析方針を簡単に記して下さい。


・目的
(1)乗鞍~飛騨両サイトマグネトグラフの比較較正の確立
(2)乗鞍~飛騨両サイトにおける同時多波長偏光観測による
   太陽磁場の高さ方向の構造の解明
・方法
(1)両サイトにおいて, FeI 6303 線による同一ターゲットの同時観測データを
   引き続いて蓄積し,解析結果を比較することにより,両サイトで観測される
   偏光の比較較正を確立する.
(2)乗鞍では HeI 10830 線および SiI 10827 線,飛騨では FeI 6303 線による
   偏光観測を,同一ターゲットに対して同時に行なう.
   この3波長同時観測により,光球~彩層上部にわたる3つの高さにおける
   偏光を求め,太陽面磁場の高さ方向の構造の解明をめざす.
・今後の解析方針
 NOAA0069/0075/0083/0085/0087等数個の活動領域についての FeI 6303 Åまたは
HeI 10830 Å偏光データを多数取得した(飛騨天文台マグネトグラフとの同時観測
データを多数含む).特に今回は,フレアの 10830 偏光データの取得に成功した.
また,プロミネンスについての HeI 10830 Å偏光データも取得した.
 今後は,以下のような方針で解析を進めたい.
(1)FeI 6303 Åでの活動領域の偏光データを解析し,飛騨の結果と比較する.
(2)3波長同時観測のデータから,活動領域における偏光(最終的には磁場)の,
   高さ方向の変化を調べる.
(3)フレア 10830 偏光データを解析し,フレア時の光球~上部彩層の物理状態
   を調べる.



今後も同一テーマで当観測所を利用する予定がありますか?   ある



観測所に対する意見、希望など:
 今回は,活動領域のデータに加え,10830Åでのフレアの偏光データも取得できました.
観測所の皆様には今年度もたいへんお世話になり,厚く御礼申し上げます.今後ともぜひ
貴観測所を維持され,末長く共同利用に供していただきますようお願い申し上げます.