国立天文台・乗鞍コロナ観測所 共同利用観測報告書 利用者氏名(滞在順):浅野芳洋  所属:京都大学大学院理学研究科           :高津裕通    :     〃           :森本太郎    :     〃           :石井貴子    :     〃           :浅井歩     :     〃           :清原淳子    :     〃           :塩田大幸    :     〃           :田沼俊一    :     〃           :磯部洋明    :     〃           :神尾精     :     〃           :篠田一也    :   国立天文台           :一本潔     :     〃 観測テーマ: ポラリメータを用いた太陽磁場・大気構造の研究 利用期間:2002年08月06日 〜 08月18日(観測実施日数13日) 旅費の出所:■ 国立天文台共同利用旅費  □ 国立天文台関係の科学研究費       □ 利用者自身の負担     □ 観測所職員旅費       ■ 利用者の所属機関 使用機器: ■ 25cmコロナグラフ  □ G1焦点  □ G2焦点       □ 直接像       ■ CCD       ■ ポラリメータ       ■ 計算機       □ その他(持ち込み機器など) 観測の目的、方法、今後の解析方針を簡単に記して下さい。  当初の目的は、乗鞍偏光解析装置を用いて複数の吸収線でストークスプロ ファイルを取得し、太陽面磁場、大気構造の研究を行う事である。特に本年 はストークスプロファイルの非対称性に注目し、その空間的分布、吸収線に よる違いなどから非対称性の起源および磁気大気における速度場構造の導出 を目指すものである。  尚、本研究では京都大学飛騨天文台との同時観測を実施し、大学院生の観 測解析実習を兼ねるものでもあった。 当初予定されていた観測方法は、 1.活動領域の広い範囲にわたって2次元的にデータを取得し、多種現象に   付随するストークスプロファイルのサンプルを収集する、 2.非対称性の顕著な現象にスリットをあて、その時間変化を追跡する、 の2通りが主である。  しかし、後日この観測期間が、人工衛星TRACE 等を中心とする高時間分解 能活動現象国際協同観測の期間と重なる事が分かったため、実際の観測対象、 観測方法は、活動領域のできる限り高時間分解能での2次元スキャン、と言 う形にシフトした。ただ、結果的には上記1.の観測予定内容を満たすデー タ内容になっていると考えられる。  これらのデータは、観測に参加した大学院生諸氏を中心に、偏光データを 磁場ベクトルに変換するインバージョンの学習を兼ねて解析され、更に上記 協同観測によって得られている、異なる多波長データと比較検討しながら 解析が進められて行くものである。   今後も同一テーマで当観測所を利用する予定がありますか?  今回は複合的なテーマの下、磁場偏光観測を大学院生諸氏が実体験する事 が重要な課題でもあったが、この共同観測を通じて、各大学院生諸氏が、更 に深めたテーマを自ら提唱し、貴観測所を利用して行く事が予想される。 観測所に対する意見、希望など:  篠田さんにおきましては、長期間に渡り、24時間体制でインストラクタ ー、オペレーターを務めて頂きまして、誠に有り難うございました。  貴観測所にとっても、日本の観測的太陽物理学界にとっても、磁場観測オ ペレーターの後継者が誕生する事を願って止みません。                 (文責:上野 悟/京都大学飛騨天文台)