コロナ観測所 共同利用観測報告書 利用者氏名:芳原容英    所属:宇宙開発事業団地球観測デー タ解析研究センター :早川正士 :電気通信大学 電子工学科      : : 観測テーマ:夏季雷に伴う中間圏発光現象の観測 利用期間:2000年  7月30日 〜  8月5日 (観測実施日数 7日) 旅費の出所:□ 国立天文台共同利用旅費   □ 国立天文台関係の科学研究費       ■ 利用者自身の負担 □ 観測所職員旅費(国立天文台職員の場合) 使用機器 :□ 25cmコロナグラフ    □ G1焦点   □ G2焦点                       □ 直接像       □ CCD       □ ポラリメータ       □ 計算機       ■ その他(持ち込み機器など) 観測の目的、方法、今後の解析方針を簡単に記して下さい。 観測目的: 本観測では日本の夏季に起こる大規模な雷放電現象に伴う中間圏におけ る発光現象(スプライト、ブルージェット)を捕らえることを目的とする。 観測方法: イメージインテンシファイアを搭載したCCDカメラ出力をSVHSビデオカメラにて 連続録画する。発光現象を引き起こす雷雲は観測場所から十分離れていることが 重要であるので主に関東地方北部の雷雲をターゲットとする。カメラの方位は レーダーエコーの情報とネット上に流れている、対地、雲間放電の実況情報を元に 決定し、放電領域の移動に伴って随時調節する。尚、イベントの発光強度は満月に 照らされた薄い巻雲程度の明るさのため、観測は夜間に限られる。 観測結果 及び今後の方針: 今季の夏季雷の観測はのべ10日程度に渡っておこなわれたが、そのうち夜間に 乗鞍側の天候が良好であったのは数日であった。更に、関東地方及び伊豆地方で 活発な雷活動が見られたのは、わずか2日程度であった。結果として、対地雷 あるいは雲内放電の散乱光は多数観測されたものの、上空での特異な発光現象は 認められなかった。原因としては、夏季雷の落雷極性のうち負極性の割合が多い ことと、中和電荷量が小さかったものがほとんどであることが挙げられる。これは、 その日の気象状況によっても異なると思われるため、今季にカメラに観測された フラッシュの落雷最大電流を雷ネットワークから、また中和電荷量をELF帯トラン ジェントのデータからから導出し、定量的な評価(正極性でスプライトを励起する に十分な電荷量を備えているか)を踏まえた上で、更なる観測を行いたいと思って いる。 今後も同一テーマで当観測所を利用する予定がありますか?  ある(予算が付けば)