太陽フレア望遠鏡
太陽フレア望遠鏡は、三鷹キャンパス構内の北西の端に設置された、太陽観測所の主力観測装置です。太陽フレア望遠鏡には現在、最新技術の観測装置が搭載され、赤外線偏光観測により磁場を太陽全面にわたって精密計測して、太陽の磁気活動の駆動メカニズムの研究が行われています。また、太陽の光球から発せられる可視光線、彩層から発せられるHα線(水素特有の線)を太陽全面にわたり取得することによって、長期にわたる太陽活動の変動を監視しています。
太陽フレア望遠鏡は1990年に観測を始めました。最初は、口径15cmと20cmの望遠鏡が2本ずつ搭載され、黒点群が収まるくらいの視野について、磁場分布とガスの流れを計測すると同時に、黒点の形の変化や、水素のHα線によるフレアの観測を行なってきました。2007年から改修が行われ、口径15cm1本と12.5cm2本の構成になりました。2010年から現在のように太陽全面にわたる観測を行なっています。
これまでの観測データは太陽観測データベースとして公開されています。
- 解説記事
- 一本 潔:「動き始めたフレア望遠鏡」、天文月報1991年5月号 p.161
- 桜井 隆:「太陽フレア望遠鏡」、国立天文台ニュースNo.28、p.3、1993年1月
- 論文リスト
- 学位論文
- Chae Jong-Chul:
- "Analysis of Solar Filter Magnetograms Using a New Algorithms for Stray Light Correction" (1995年、ソウル国立大学)
- Li Hui:
- "Instrument for and Multiple Wavelength Analysis of Solar Flares" (2000年、中国科学院紫金山天文台)
- 萩野正興:
- "Magnetic Helicity of Solar Active Regions"(2004年、明星大学)
- 真栄城朝弘:
- "Study of Magnetic Helicity in Solar Active Regions"(2005年、広島大学)
- 山本哲也:
- "Studies of Magnetic Helicity Injection and Magnetic Free Energy in Solar Active Regions"(2007年、東京大学)
- 世界の主なマグネトグラフ