観測地

インドネシア、ジャワ島、スラバヤの西方120kmのツェップ(Cepu)
(東経111度35分26.239秒、南緯7度07分52.364秒)

観測者と遠征計画

    地上班(Cepu)
  • 日江井榮二郎
  • 清水保夫
  • 宮崎英昭
  • 今井英樹
    地上斑(Soro)
  • 田中捷雄
  • 岡本(富三?)
    気球班(Watukosek)
  • 田鍋浩義
  • 磯部琇三
他に
    地上班
  • 京都大学3名(Tuban)
  • 緯度観測所2名(Mojokerto)
  • 水路部2名(Tuban、Kragan)
  • 東北大学3名
  • 東北工大2名(Cepu、台湾・中壢)
    気球班
  • 京都大学2名
  • 宇宙科学研究所3名(Watukosek)
日本学術会議天文学研究連絡委員会日食分科会において審議。
文部省科学研究費海外学術調査の研究分担者として観測隊が発足(観測隊長:日江井榮二郎)
1982年10月インドネシア日食委員会に観測地使用を申し入れる。
1983年3月6日地上班の機材が横浜港を出発(東京船舶)。
1983年3月28日地上班の機材がスラバヤに到着。
1983年4月14日気球班の機材が成田空港を出発。ジャカルタへ。
1983年4月20日先発隊の斎藤澄三郎(京都大学)出発、通関の折衝を行う。
1983年5月9日観測隊員12名が成田を出発。ジャカルタへ。
1983年5月15日機材の通関終了。
1983年5月16日機材が観測地に向け陸送。
1983年5月21日観測隊員8名が成田を出発。ジャカルタへ。
1983年5月27日観測隊員2名が成田を出発。台湾へ。
1983年6月3日機材の総合動作テストを行う。
1983年6月4~5日本番演習。
1983年6月9日予行演習。
1983年6月11日日食観測
(Cepu)
前々日、前日は雷雨。当日早朝は曇り。
皆既3時間前には青空も見えるように。
皆既30分ほど前に、帯状の高積雲が出現。それを通しての観測になった。
(Watukosek)
前日は雨。当日は晴れて無風に。予定通りの観測を実施。
1983年6月12日機材の解体・梱包。
1983年6月14日梱包作業終了。
1983年6月15日機材がトラックでスラバヤに向かう。
1983年6月17日1班はバリ経由で20日に帰国。
1983年6月22日2班はバンドン・ジャカルタ経由で帰国。

観測結果とデータ

観測項目担当観測内容等装置等
コロナ輝線による単色光像の撮影および赤色域連続光による写真観測 平山淳
入江誠
熊谷収可
雲の影響のため、測光できるデータは得られなかった。
大型カメラの像にはコロナの筋状模様が写っているため、その輝度、電子密度を求めることができた。
    機材1
  • シーロスタット(口径30cm、三鷹光器製、鏡は日本光学製溶融水晶)
  • 水平望遠鏡(口径20cm、焦点距離11m、ブラッシャー製アクロマート※1932年北米日食で使用)
  • スロット分光器
  • 蛇腹式鏡筒(日本プロフォト製)
  • 大型カメラ(ウィルド社(スイス)製、※1973.6.30アフリカ日食で使用)
  • Kodak Pluse-X Aerographic Film 2402
  • ニコン35mmカメラ4台
  • 干渉フィルター(4990Å、4992Å、5015Å、5303Å)
  • Kodak Tri-X
  • 機材2
  • ダブレット屈折望遠鏡(口径20cm、焦点距離250cm 、日本光学製)
  • 赤道儀(三鷹光器製※1973.6.30アフリカ日食で使用)
  • アサヒペンタックス6×7カメラボディー(ミラー除去)2台
  • Kodak Tri-X
  • 干渉フィルター(5303Å、5780Å)
  • 偏光フィルター

論文

清水保夫、宮崎英昭、今井英樹、日江井栄二郎
1983年インドネシア日食におけるコロナ観測
国立天文台報、N1、No.1、p29、1990
E.Hiei, Y.Shimizu, H.Miyazaki, H.Imai, K.Sato, S.Kuji, and W.Sinambela
Coronal Structure Observed at the Total SoLar Eclipse at 11 June, 1983 in Indonesia
Astrophys. Space Sci., 119, 9, 1986

参考資料

観測隊全般について

水路部編暦課
1983年6月11日の皆既日食
天文月報、74、No.3、P77、1981
森 国夫
1983年6月11日の皆既日食帯に含まれる地点、Surabaja,Makasar,PortMoresbyの6月の気象
天文月報、74、No.3、p82、1981
日江井榮二郎、齋藤澄三郎、金沢輝雄、佐藤弘一、舞原俊憲
1983年6月11日の皆既日食
天文月報、76、No.10、p268、1983
中桐正夫
1983年6月11日のインドネシア日食の記念品発見
アーカイブ新聞、179、2009
1983年6月11日のインドネシア日食の記念品の続報
アーカイブ新聞、184、2009

学会講演など

公演名講演者日時講演会名等
Balloon Observation of the Total Solar Eclipse on June 11,1983,in IndonesiaH. Tanabe, S. Isobe, H. Akiyama,Y. Koma,Y. Okabe,J. Nishimura, T. Maihara,K. Mizutani, J. Soegijo,T. E. Hariadi1983年10月14日日本天文学会1983秋季年会
気球搭載用日食観測望遠鏡の姿勢制御とデータ処理狛 豊,秋山弘光,阿部選司,太田茂雄,西村純,磯部誘三1983年10月14日<日本天文学会1983秋季年会
Fコロナの可視光測光・偏光観測磯部誘三,田鍋浩義,平山智啓,西野洋平,佐々木五郎,狛 豊,阿部選司1983年10月14日<日本天文学会1983秋季年会
インドネシヤ日食清水保夫,宮崎英昭,今井英樹,日江井栄二郎1984年5月25日<日本天文学会1984春季年会